動物病院コラム

2016年5月23日 月曜日

皮膚糸状菌症

動物たちが遭遇する皮膚病の中には、一緒に生活している人にも感染するものもあります。

その1つに糸状菌の感染による皮膚病、皮膚糸状菌症という怖い皮膚病がありますので今回お話いたします。


この皮膚病は真菌(カビ)が角質や毛幹で増殖して皮膚に障害を起こします。皮膚に脱毛や赤み(紅斑)、かさぶた(痂皮)などが主症状です。まれに皮下に肉芽腫病変(しこり)を形成することもあります。


原因の菌は主に3種類が言われてます。それぞれに特徴があり、生活環境や同居の動物なども診断の参考になる時もあります。


診断方法は

(1)臨床症状 皮膚の状態、いつからか、痒みがあるかなど

(2)直接鏡検 毛を数本抜いて顕微鏡で確認します

(3)ウッド灯検査 患部に紫外線を当てて発光するか見ます

(4)培養検査 患部周辺の毛およびフケなどを特殊な培地で培養します。

などがあり、これらをもとに総合的に判断いたします。





このような脱毛するのが糸状菌による皮膚炎です。




こちらがウッド灯検査です。このように発光しますが、反応するのは一部の原因菌だけです。


治療は全身性抗真菌薬の服用や薬用シャンプー、場合によっては感染している被毛を切ることもあります。

この病気の怖いところは、人にも感染する人獣共通伝染病という点です。人が感染した場合は赤いリング状の病変をつくり、激しい痒みを起こします。




ペットが皮膚糸状菌症と診断され、ご自身にこんな皮膚変化が表れたらすぐに皮膚科で診察を受けてください!


皮膚糸状菌症は他の皮膚炎と症状がとても似ていますので、診断や治療にも時間を要することがあります。

皮膚に痒みや脱毛が見られた時は、あまり様子を見ずに診察を受けられることをおすすめします。

※写真は教科書等から引用いたしました。


獣医師 高木

投稿者 香椎ペットクリニック