動物病院コラム

2016年7月21日 木曜日

猫の尿道結石

今回は尿道に結石がつまってしまった猫の症例を紹介したいと思います。

この猫ちゃんは、おしっこが出ない、ぐったりしているという主訴で来院しました。
レントゲンを撮ってみると、尿道に結石がつまっているのが発見されました。



写真をみると大きめの結石が3個ほど尿道にありますね。
おしっこが出ない原因は、これがつまってしまったからです。

尿は腎臓から作られて、尿管を通って膀胱にたまり、膀胱から尿道を通って、出口である外尿道口に排出されます。
腎臓、尿管は2個ずつあるのに対して尿道は1本しかないので、尿道がつまってしまうとおしっこが出なくなり、必ず症状が出てきます。
オス猫はメス猫に比べて尿道が狭く、また肥満の猫も尿道が狭くなってるので、尿道に結石がたまりやすくなっています。
なので、太り過ぎのオス猫は要注意です。

血液検査もしてみると、腎臓の数値が上がっており、尿道に結石がつまってしまったことによる急性腎不全もみられました。
結石が尿道につまってしまうと、おしっこを体の外へ出すことができなくなり、この猫ちゃんのように急性の腎不全になって、身体がぐったりしたり、食欲不振、下痢、嘔吐などがみられます。
このまま放置してしまうと非常に危険な状態になってしまいます。

なので、まずはおしっこをちゃんと出すことができるように、カテーテルという細い管を使って尿道につまった結石を膀胱に押し込む処置を行いました。



写真は処置後に撮ったレントゲンですが、最初の写真で尿道にあった結石が膀胱まで移動しています。
今回は緊急の処置で一旦、結石を膀胱に戻していますが、また結石が尿道につまってしまう可能性があります。
尿道に詰まるのを防ぐには、膀胱を切開して中の結石を取り除かなければなりません。

ペットの尿路結石症はよく見られる病気の1つです。
治せない病気ではありませんが、体質によってできやすい子もいるため、何度も再発を繰り返すことがあります。
常に水を飲みやすくトイレに行きやすい環境を整え、適切な食事を獣医師にご相談ください。
また、普段からペットのおしっこの色やにおい、回数、出方などに注意し、おかしいなと思ったら早めに動物病院へ連れて行きましょう。

獣医師 木場

投稿者 香椎ペットクリニック