動物病院コラム

2017年5月21日 日曜日

ダニに寄生されたら

最近、散歩に行ってダニに噛まれてしまったワンちゃんを連れてくる飼い主さんが増えてきました。

ダニと言っても目に見えない小さなダニから目に見えるほどの大きなダニまで色々な種類のダニがいます。

よくテレビで洗剤や掃除機などのCMで取り上げられるようなダニは目に見えない小さなダニが一般的ですね。

ワンちゃんに寄生するダニも毛穴に寄生するニキビダニ、皮膚の角質に寄生するヒゼンダニなどは目に見えないほどの小さなダニですが、散歩中に草むらなどで体表にくっついてしまうマダニは目に見えるほどの大きさです。

飼い主さんが「ダニに噛まれた!」といって連れてこられてワンちゃんに寄生しているのはこのマダニです。

マダニに寄生されると吸血による貧血や皮膚炎、またダニの唾液成分に対するアレルギーなどがおこってしまいます。

マダニは動物の体表に寄生して吸血しますがこの吸血の仕方も他の吸血する虫と比べて特徴的です。
ノミや蚊などは突起物をそのまま突き刺して吸血するのに対してマダニはなんと噛んで皮膚を切り裂いてから突起物を刺して吸血するのです。
しかもマダニの突起物には棘がついており、さらにマダニの唾液成分には接着剤のように固定される物質が含まれているので吸血の間は動物の皮膚にしっかりと付着してしまいます。

なので動物の皮膚に寄生したマダニを無理に取り除こうとしないでください。

ダニの胴体を不用意につまんで引っ張っると、顎の部分が動物の皮膚内に残ってしまい皮膚炎を発症してしまいます。

場合によっては皮膚の切開が必要になることもあるのでもし飼われている子がマダニに寄生されてしまったら無理に取り除こうとせずに病院に連れてきて下さい!

それからダニの予防も大切です。
飼われているワンちゃんのお散歩でよく草むらなどに行ってしまうような子は要注意です!

ダニがいそうな草むらなどを通る可能性が少しでもあるのなら前もってダニの駆除をワンちゃんにしてあげると良いと思います。

ノミ・ダニの駆除薬も色々あるのでどういったものを使ったらいいのかわからなければ是非病院にお越しいただいて相談してください。


獣医師 木場

投稿者 香椎ペットクリニック

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