動物病院コラム

2017年9月13日 水曜日

CT検査vol.3

今回は犬の歯のCT検査を紹介して行きたいと思います。

みなさんの飼われているワンちゃんのお口の中の状態はどうですか?
ご自宅で頑張って歯磨きをしている飼い主さんもいれば、
歯磨きをしたいのにワンちゃんが嫌がって、
中々歯磨きをすることができない飼い主さんもいらっしゃると思います。

当院ではスケーリング処置または抜歯をする患者さんは少なくありません。

今までスケーリング処置をする際に、
その患者さんの歯の状態の評価して抜歯すべきかどうか判断する方法は、
歯科レントゲンで撮影して判断するしかありませんでした。

もちろん歯科レントゲンでもきちんと診断することはできますが、
これをCT検査で評価すると診断の幅が増えます。
歯科レントゲンでは口腔内の狭い範囲でしか評価できないのですが、
CT検査だと頭部全体を撮影しているので、
口腔内だけでなく鼻腔内の評価も可能となります。

例えば、上顎の歯根膿瘍(歯の根っこの化膿)が重度になると、
上顎骨の骨が溶け始めてバイ菌が鼻腔内に侵入し、
鼻炎を起こしてしまいます。

このような場合も、CT検査での評価が可能となります。

上の写真は、頭部を横から縦割りで撮影したCT画像です。
白く映っている部分は歯や骨の部分で、
少し解りづらいですが、赤い丸で囲っている部分の骨が、
周りの骨と比べて若干薄くなっているのがわかりますか?
これは上顎の骨が完全には融解していないので骨がまだ残っていますが、
少し融解して骨が薄くなっている状態です。

上の画像は一枚目の画像と同じもので、
頭部を正面から輪切りに撮影したCT画像です。
一枚目と二枚目の赤い丸で囲った部分は同じ場所です。

また二つの赤い矢印で示している部分は左右の鼻腔内の部分ですが、
異常はみられませんでした。

これらの様に、
歯科処置においてCT検査を導入することで診断の幅が広がりますし、
患者さんの状態をより詳しく知ることができます。

ワンちゃんネコちゃん達をより詳しく見て行く事が可能なCT検査を、
ぜひご検討ください。


獣医師 木場

投稿者 香椎ペットクリニック

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