動物病院コラム
2017年9月 9日 土曜日
毛周期停止(脱毛症X)
皆様は毛周期停止(脱毛症X)という病気を聞いたことがありますか?
この病気は原因は不明で、病態も十分に解明されていない脱毛を主体とする皮膚病です。全貌がよく解ってないため、過去には、成犬発症型低ソマトトロピン症、偽クッシング病、先天性副腎過形成、去勢反応性皮膚症など様々な名称で呼ばれていました。
発症年齢は一般的には2~3歳で発症し、雄雌いずれにも発症しますが雄に多いと言われています。また若齢だけでなく高齢なイヌで発症することもあります。好発犬種は圧倒的にポメラニアンが多く遭遇しますが、他にもトイ・プードル、チワワ、パピヨンなどで見られています。
臨床像は、全身症状や明らかな代謝性疾患を伴わない、体幹部を中心とした脱毛です。頸部や太腿の後側、頸部からはじまり、経過とともに全身に拡大しますが、頭部と四肢の被毛が残るのは特徴の1つです。
また脱毛しているところに色素沈着や軽度の脂漏症、二次的な膿皮症を伴うことも有ります。
診断には、犬種や特徴的な臨床像と、類似した症状を示す内分泌疾患を鑑別するために血液検査やホルモン検査、副腎の画像検査などを行い鑑別します。
こちらは毛周期停止と診断したポメラニアンの後ろからの写真です。太腿の後側から脱毛が始まり、肩の方まで広がっていきました。
この疾患はさまざまな内科的治療法がありますが、効果が一様ではなく、治療に苦慮することが多いです。ホルモン製剤や育毛に効果があるサプリメント、スキンケアの為のシャンプー、外用剤などを組み合わせて長期的に治療していきます。ただ脱毛は美容上の問題であり、体調を崩すことは無いため、治療せずに経過観察をするのも選択肢の1つではあります。
先ほどの症例の1年後の写真です。このワンちゃんは効果が認められ、発症前よりも毛量が増したとオーナーはおっしゃってしました。
皮膚病にはいろいろなタイプの疾患がありますので、何か変化があれば、一度診察を受けられてみてはいかがでしょうか?
獣医師 高木
この病気は原因は不明で、病態も十分に解明されていない脱毛を主体とする皮膚病です。全貌がよく解ってないため、過去には、成犬発症型低ソマトトロピン症、偽クッシング病、先天性副腎過形成、去勢反応性皮膚症など様々な名称で呼ばれていました。
発症年齢は一般的には2~3歳で発症し、雄雌いずれにも発症しますが雄に多いと言われています。また若齢だけでなく高齢なイヌで発症することもあります。好発犬種は圧倒的にポメラニアンが多く遭遇しますが、他にもトイ・プードル、チワワ、パピヨンなどで見られています。
臨床像は、全身症状や明らかな代謝性疾患を伴わない、体幹部を中心とした脱毛です。頸部や太腿の後側、頸部からはじまり、経過とともに全身に拡大しますが、頭部と四肢の被毛が残るのは特徴の1つです。
また脱毛しているところに色素沈着や軽度の脂漏症、二次的な膿皮症を伴うことも有ります。
診断には、犬種や特徴的な臨床像と、類似した症状を示す内分泌疾患を鑑別するために血液検査やホルモン検査、副腎の画像検査などを行い鑑別します。
こちらは毛周期停止と診断したポメラニアンの後ろからの写真です。太腿の後側から脱毛が始まり、肩の方まで広がっていきました。
この疾患はさまざまな内科的治療法がありますが、効果が一様ではなく、治療に苦慮することが多いです。ホルモン製剤や育毛に効果があるサプリメント、スキンケアの為のシャンプー、外用剤などを組み合わせて長期的に治療していきます。ただ脱毛は美容上の問題であり、体調を崩すことは無いため、治療せずに経過観察をするのも選択肢の1つではあります。
先ほどの症例の1年後の写真です。このワンちゃんは効果が認められ、発症前よりも毛量が増したとオーナーはおっしゃってしました。
皮膚病にはいろいろなタイプの疾患がありますので、何か変化があれば、一度診察を受けられてみてはいかがでしょうか?
獣医師 高木
投稿者 香椎ペットクリニック