動物病院コラム
2018年3月27日 火曜日
CT検査.vol10
今回は腫瘍の中でも発生が少ない犬の胃の腫瘍の症例を紹介したいと思います。
犬の胃の腫瘍は多くが悪性の胃腺癌、猫ではほぼリンパ腫です。
これらは慢性の嘔吐や体重減少、食欲不振などを主訴として検査をすすめて診断されますが、
その他の胃の腫瘍で良性の胃腺腫や平滑筋腫などは臨床症状がほとんどないため
他の検査でたまたまみつかることが多いです。
胃の腫瘍を発見する検査として、
レントゲン検査では胃壁の厚さを評価することが難しいですが、
超音波やCT検査で評価していき、
最終的には内視鏡で胃壁の厚くなった部分を採材して病理検査という流れになります。
(状況により超音波検査下での生検、開腹して直接胃壁を採材することもあります)
ちなみに悪性度の高い胃腺癌の場合は、
胃壁が肥厚しているあたりはほとんどが胃潰瘍を形成していることが多いです。
そういう箇所は、内視鏡で確認しやすいと思います。
超音波検査では、
ある程度の胃壁の肥厚は確認することができますが
胃全体をみるのは難しいので、
やはり次の検査としてCT検査で胃全体をみる必要があります。
造影剤を使用したCT検査であれば、
腫瘍の浸潤範囲も確認することができ、
それが手術して取り除けるものなのかも把握することができます。
上の写真は造影剤を使用せずに撮影したCTの3D画像です。
赤い線でなぞっている部分が胃壁が肥厚している部分です。
今度は造影剤を使用したものの3D画像です。
丸で囲っている部分が肥厚している部分ですが、
先程の造影剤なしの画像と比べて少し白く染まっているのがわかりますか?
これが腫瘍だと疑われる部分です。
この症例はまだ内視鏡検査までしていませんが、
嘔吐や食欲不振などの臨床症状があり、
悪性の腫瘍である可能性を考えなければなりません。
ちょっとした食欲不振や体重減少では大丈夫と思われている飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、
CTであれば、レントゲン、エコー、内視鏡でも見つからないものがみつかる可能性があります。
今回のケースでも、CT検査をすることで大きく診断に近づいた症例でした。
獣医師 木場
犬の胃の腫瘍は多くが悪性の胃腺癌、猫ではほぼリンパ腫です。
これらは慢性の嘔吐や体重減少、食欲不振などを主訴として検査をすすめて診断されますが、
その他の胃の腫瘍で良性の胃腺腫や平滑筋腫などは臨床症状がほとんどないため
他の検査でたまたまみつかることが多いです。
胃の腫瘍を発見する検査として、
レントゲン検査では胃壁の厚さを評価することが難しいですが、
超音波やCT検査で評価していき、
最終的には内視鏡で胃壁の厚くなった部分を採材して病理検査という流れになります。
(状況により超音波検査下での生検、開腹して直接胃壁を採材することもあります)
ちなみに悪性度の高い胃腺癌の場合は、
胃壁が肥厚しているあたりはほとんどが胃潰瘍を形成していることが多いです。
そういう箇所は、内視鏡で確認しやすいと思います。
超音波検査では、
ある程度の胃壁の肥厚は確認することができますが
胃全体をみるのは難しいので、
やはり次の検査としてCT検査で胃全体をみる必要があります。
造影剤を使用したCT検査であれば、
腫瘍の浸潤範囲も確認することができ、
それが手術して取り除けるものなのかも把握することができます。
上の写真は造影剤を使用せずに撮影したCTの3D画像です。
赤い線でなぞっている部分が胃壁が肥厚している部分です。
今度は造影剤を使用したものの3D画像です。
丸で囲っている部分が肥厚している部分ですが、
先程の造影剤なしの画像と比べて少し白く染まっているのがわかりますか?
これが腫瘍だと疑われる部分です。
この症例はまだ内視鏡検査までしていませんが、
嘔吐や食欲不振などの臨床症状があり、
悪性の腫瘍である可能性を考えなければなりません。
ちょっとした食欲不振や体重減少では大丈夫と思われている飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、
CTであれば、レントゲン、エコー、内視鏡でも見つからないものがみつかる可能性があります。
今回のケースでも、CT検査をすることで大きく診断に近づいた症例でした。
獣医師 木場
投稿者 香椎ペットクリニック