動物病院コラム

2018年12月29日 土曜日

コンタクトレンズ その2

前回、コンタクトレンズのお話をしましたが、今回はその使用例の紹介しようと思います。

この症例は、朝から眼を痛そうにしているとの主訴で来院されました。
元々、アレルギー症状もあり、よく顔をタオルなどに擦りつけたりする子でした。
また散歩の際には、植込みなどに頭から突っ込んでいくタイプでしたので、
外傷性の角膜びらんと診断し、治療開始しました。
軽度の損傷であれば、一週間後には改善していることが多いのですが、
この症例は二週間経過しても回復しなかったので、再発性角膜上皮びらんと診断しました。

この病気は角膜上皮の治癒過程の異常により起こる、なかなか治らない角膜疾患の一つです。
眼の表面には剥離した角膜上皮が残っているので、これを綿棒などで遊離させ切除していきます(デブリードマン)。デブリードマンを数回繰り返しても改善しない場合は、角膜の表面に細い針であえて傷をつける格子状切開を行います。





上の写真が格子状切開を行った後の写真です。縦横に細かく浅い傷を付けています。
処置後は痛みを伴うので、疼痛緩和のためにコンタクトレンズを装着して軽く眼瞼縫合を行いました。
処置から2週間後の写真が下の写真です。すっかり角膜上皮びらんも改善していました。
まだ少し表面の白さは残っていますが、本人も気にすることなく、元気に散歩に行くようになったそうです。

コンタクトレンズは角膜の保護、乾燥防止などに有用ですので、今後も症例に合わせて活用していこうと思います。

獣医師 高木


投稿者 香椎ペットクリニック