動物病院コラム
2019年4月 9日 火曜日
CT検査vol.19
今回は血栓症の症例を画像を使って紹介いたします。
血栓症は、血栓が形成される血管の場所や血流の程度によって、無症状のものから致死的なものまで、生じる症状や重症度は様々です。
血栓が形成される原因として、三つの要素があります。それは、血管壁の性状変化、血流の変化、血液成分の変化です。
これらは、全身性炎症性疾患、免疫介在性疾患、腫瘍、心疾患、蛋白漏出性疾患、代謝性疾患などに続発して起こると考えられています。
それでは、画像を見ていきましょう。
今回の症例の子はIBDという炎症性腸疾患を患ってた子で、蛋白漏出性疾患から続発して門脈内に血栓が生じてしまった症例です。
上の画像は腹部の超音波検査で確認された画像ですが、最初はこれがまさか血管内に生じた血栓とは分からず、リンパ節なのか腫瘍性のものなのかと試行錯誤していました。
なので、CT検査をしてみると下の画像のように血管内に造影剤が染まらない部分があるのが確認されました。
わかりやすくするため、染まらない部分を青色で塗りつぶしてみました。
この塗りつぶした青色の部分が、血栓です。
CT画像を見た後に、再度腹部の超音波をあてて見てみると超音波でも血栓がある事がわかってきました。
先ほどのエコー画像で見てみましょう。
青く塗りつぶしているのが血栓で、その周りの黒く抜けている部分が血管です。
このように超音波検査とCT検査の組み合わせで、その正体を突きとめることができました。
CT検査で全てがわかるわけではありません。
数ある検査の中の一つです。
他の血液検査やレントゲン検査など複数合わせ、総合的に診断を下していきます。
人間と違って動物は喋ることができないので、なかなか検査を絞ってすることは他の病気を見逃してしまうリスクがあり、難しいです。
もちろん検査をするにも飼い主様の協力も必要となってきますので、今後も丁寧な説明を心がけ、飼い主様と一緒に診療をすすめていきたいと思います。
獣医師 木場
血栓症は、血栓が形成される血管の場所や血流の程度によって、無症状のものから致死的なものまで、生じる症状や重症度は様々です。
血栓が形成される原因として、三つの要素があります。それは、血管壁の性状変化、血流の変化、血液成分の変化です。
これらは、全身性炎症性疾患、免疫介在性疾患、腫瘍、心疾患、蛋白漏出性疾患、代謝性疾患などに続発して起こると考えられています。
それでは、画像を見ていきましょう。
今回の症例の子はIBDという炎症性腸疾患を患ってた子で、蛋白漏出性疾患から続発して門脈内に血栓が生じてしまった症例です。
上の画像は腹部の超音波検査で確認された画像ですが、最初はこれがまさか血管内に生じた血栓とは分からず、リンパ節なのか腫瘍性のものなのかと試行錯誤していました。
なので、CT検査をしてみると下の画像のように血管内に造影剤が染まらない部分があるのが確認されました。
わかりやすくするため、染まらない部分を青色で塗りつぶしてみました。
この塗りつぶした青色の部分が、血栓です。
CT画像を見た後に、再度腹部の超音波をあてて見てみると超音波でも血栓がある事がわかってきました。
先ほどのエコー画像で見てみましょう。
青く塗りつぶしているのが血栓で、その周りの黒く抜けている部分が血管です。
このように超音波検査とCT検査の組み合わせで、その正体を突きとめることができました。
CT検査で全てがわかるわけではありません。
数ある検査の中の一つです。
他の血液検査やレントゲン検査など複数合わせ、総合的に診断を下していきます。
人間と違って動物は喋ることができないので、なかなか検査を絞ってすることは他の病気を見逃してしまうリスクがあり、難しいです。
もちろん検査をするにも飼い主様の協力も必要となってきますので、今後も丁寧な説明を心がけ、飼い主様と一緒に診療をすすめていきたいと思います。
獣医師 木場
投稿者 香椎ペットクリニック