動物病院コラム

2019年5月19日 日曜日

犬の肢端せつ腫症

この病気は舐め壊しにより、破壊された毛包や脂腺などの組織が真皮内に流出してしまい、
それ対する免疫介在性の炎症反応が持続して起こる疾患と言われてます。
最初はアレルギーや寄生虫、感染などの慢性的な要因から波及することが多いそうです。

今回の症例はまだ若い日本テリアの男の子です。
1歳頃から手足を舐めて診察を受けていました。
アレルギーの疑いがあり、食事を変えたり、内服薬を開始したりで、
痒みも収まり、症状が安定していました。

ある日、足の裏から出血しているとの稟告で来院されました。
その傷は、肉球の一部に出来た、裂傷のようなものでした。
消毒し、外用薬で治療したところすぐに改善しました。
しかし、その1ヶ月後に今度は違う足に血腫が出来て気にして舐めているとのことで診察に来られました。
前回よりも痒みが酷かったため、内服薬も併用しながら治療しましたが、症状は落ち着かず、
他の足にも多発する結果になりました。



この写真の様に、自潰し、排膿する場所が四肢全体に見られるようになりました。
消毒を繰り返し、内服薬も用量や種類を検討しながら治療していましたが、症状はなかなか改善されませんでした。
当初の診断をもう一度見直しつつ、皮膚の専門医に相談したところ、的確なアドバイスを頂き、治療の見直しを行いました。すると2週間後にはこのように綺麗に回復しました。



この症例は、アレルギーから皮膚に慢性的なダメージを与え、肢端せつ症が発症したと考えられます。
専門医のアドバイスがなければここまで早急な回復は得られなかったかもしれません。

当院では毎月、皮膚専門医による診察を行っております。皮膚病で気になることがあればお気軽にご相談ください。

獣医師 高木

投稿者 香椎ペットクリニック