動物病院コラム
2020年3月 9日 月曜日
犬のリンパ腫②
前回紹介した縦隔型リンパ腫の治療経過をご報告します。
リンパ腫と診断してから約3ヶ月が経過しておりますが、現在までに9回の抗がん剤治療を実施しました。直近のレントゲン画像がこちらです。
発症時↓
3ヶ月後↓
発症時↓
3ヶ月後↓
最初と比較すると前胸部の腫瘤がかなり縮小しているのが確認できます。
このようにリンパ腫は化学療法(抗がん剤治療)に反応してくれることが多いです。
しかし抗がん剤にはやはり副作用が存在します。
今回の症例では3種類の抗がん剤とステロイドによる組み合わせでの治療を行っております。
具体的に申しますと①ビンクリスチン②シクロホスファミド③ドキソルビシンの3つです。
共通する副作用としては骨髄抑制(赤血球や白血球の生成阻害)、消化器毒性(嘔吐や下痢)、脱毛が一般的です。
①③に関しては血管内から漏れてしまうと患部の炎症や壊死が起こります。また②に関しては無菌性出血性膀胱炎が起こる場合があります。
本症例では②の抗がん剤により血尿、頻尿が認められ改善するまでにかなりの時間を要しました。
ちなみにその時の膀胱の超音波画像です。
膀胱粘膜がかなり腫れています。
現在は症状も落ち着いている為、薬の量を調節して継続して抗がん剤治療を行っているという状況です。
症例によって薬の効果や副作用の出やすさなどもがらりと変わってしまうので症例に合わせて量を調節していかなければなりません。
今後もそれぞれの症例にあった適切な治療が出来るように心がけていきたいと思います。
獣医師;永松
リンパ腫と診断してから約3ヶ月が経過しておりますが、現在までに9回の抗がん剤治療を実施しました。直近のレントゲン画像がこちらです。
発症時↓
3ヶ月後↓
発症時↓
3ヶ月後↓
最初と比較すると前胸部の腫瘤がかなり縮小しているのが確認できます。
このようにリンパ腫は化学療法(抗がん剤治療)に反応してくれることが多いです。
しかし抗がん剤にはやはり副作用が存在します。
今回の症例では3種類の抗がん剤とステロイドによる組み合わせでの治療を行っております。
具体的に申しますと①ビンクリスチン②シクロホスファミド③ドキソルビシンの3つです。
共通する副作用としては骨髄抑制(赤血球や白血球の生成阻害)、消化器毒性(嘔吐や下痢)、脱毛が一般的です。
①③に関しては血管内から漏れてしまうと患部の炎症や壊死が起こります。また②に関しては無菌性出血性膀胱炎が起こる場合があります。
本症例では②の抗がん剤により血尿、頻尿が認められ改善するまでにかなりの時間を要しました。
ちなみにその時の膀胱の超音波画像です。
膀胱粘膜がかなり腫れています。
現在は症状も落ち着いている為、薬の量を調節して継続して抗がん剤治療を行っているという状況です。
症例によって薬の効果や副作用の出やすさなどもがらりと変わってしまうので症例に合わせて量を調節していかなければなりません。
今後もそれぞれの症例にあった適切な治療が出来るように心がけていきたいと思います。
獣医師;永松
投稿者 香椎ペットクリニック