動物病院コラム

2021年7月 4日 日曜日

ワクチン接種後の副反応について

7月1日の時点で、日本の新型コロナウイルス感染症の1回目のワクチン接種率が24%、2回目の接種率が12%を上回ったようです。皆さんはこのワクチン接種についてどのようにお考えでしょうか。ちなみにわたしは、接種については前向きに検討しているのですが、副反応のニュースを見るたびに少し怖いなと思っているところです。

そういうわけで今回は、前回のワクチンの話題に引き続き、ワクチンの副反応について正しい知識を持っていただくために、ワンちゃんのワクチン接種後における副反応の種類や発生頻度、発生時間について調べていきたいと思います。


そもそもワクチンとは何でしょう?
ワクチンとは、感染症の原因となる病原体をごく少量、もしくは病原性を不活化したものを体内に接種し、病気に対する免疫(抵抗力)をつけることをいいます。免疫ができることで、その感染症に再びかかりにくくなったり、かかっても症状が軽くなったりするようになります。

つまり、ワクチン接種とは生体にとって異物となる病原体を体内に取り入れるため、異物に対して体内の免疫が過剰に働くことで副反応が起こってしまうのです。

ある文献によると、日本における犬のワクチン接種後アレルギー反応の発生率は、循環器・呼吸器症状(虚脱、頻脈、低血圧、呼吸困難など:アナフィラキシー)が0.072%、皮膚症状(顔面の腫脹や浮腫、蕁麻疹など)が0.426%、消化器症状(嘔吐、下痢)が0.279%であったことが報告されています。そして、日本においては小型犬種、とくにミニチュアダックスフンドでワクチン接種後アレルギー反応の発生が多いようです。
(Vet Immunol Immunopathol.2012 Jan:447-452.)

また下の図は、症状別に、ワクチン接種後から臨床症状が発現するまでの時間毎の症例数を表しています。


図 ワクチン接種後アレルギー反応の発症時期(参考;犬の治療ガイド2020 p1059)

上の図より、皮膚症状はワクチン接種後数分~24時間、あるいはそれ以上経過してからでも発生しますが、より重篤な副反応(循環・呼吸器症状)の場合は、ワクチン接種後数分~60分以内に発生し、とくに5分以内の発生が多いことがわかります。

上記のような副反応が出た症例については、酸素吸入や昇圧剤、免疫抑制薬の投与など、迅速に処置を行う必要があります。副反応が出た際にすぐに病院に行けるよう、1日付き添っていられる日の午前中に接種することをお勧めいたします。そして、ワクチン接種後は安静に、激しい運動やシャンプーなどは1日お休みしてしっかり様子を見てあげましょう。特に接種してから1時間以内にぐったりしていたり、呼吸がいつもと違ったり、お顔が腫れたりした場合は、すぐにお近くの動物病院さんへご連絡ください。


最後に、ワクチン接種は感染症から守ることのできる非常に有効な手段です。しかし副反応というリスクを伴うものであることを常に意識しておきましょう。そして、ご家族である大事なワンちゃん、ネコちゃんの命、一緒に守っていきましょう (^^)♪




獣医師 田上

投稿者 香椎ペットクリニック

カテゴリ一覧

カレンダー

2021年8月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31