動物病院コラム

2021年1月24日 日曜日

CT検査vol.33

今回は、猫の先天的な奇形の症例を紹介したいと思います。

まずは、CT画像を見ていきましょう。


画像は、骨盤あたりの骨の3D画像ですが、どこが異常かわかりますか?
次に正常な猫の骨盤あたりを見て、比べてみましょう。



比べてみると、股関節が左右ともに脱臼しかけているのがわかりますね。


通常であれば、寛骨臼といわれる骨盤の窪みに、後肢の付け根である大腿骨頭といわれる骨がキレイにハマっていなければならないのですが、症例の猫はやや外れかかっています。
完全に外れて脱臼まではしていなかったので、特に歩き方とかも異常ではありませんでした。

今回の症例は、避妊手術時のレントゲン検査にて、やや股関節の形が異常だったため、CT検査を実施しました。
まだ、年齢的には6ヶ月齢ほどでもあったので、おそらく生まれつきの奇形であると思われます。

歩行異常は、現時点ででてはいないようですが、今後脱臼してしまうリスクはあります。
股関節になるべく負担をかけないようにして脱臼のリスクを少しでも軽減するためにも、
体重増加には今後要注意ですね。


獣医師  木場

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

2021年1月11日 月曜日

角膜穿孔

今回も眼のお話をいたします。
1ヶ月前から右眼が白く濁っており、白内障と診断されていました。
ある日、右眼を開けなくなり、出血のような涙が出てきたとの稟告で
来院されました。
右眼はかなり重症で、オーナーの抱っこから診察台に降りた瞬間に右眼から円形のあるものが落下しました。
それは水晶体だったのです。重度の角膜潰瘍から穿孔に至り、眼房水とともに水晶体が脱出してしまったのです。
とりあえず応急処置としてステープラで眼瞼を縫合し、今後の治療方針をオーナーと協議することになりました。というのは、全身検査を行って、心疾患と腎不全が見つかったからです。麻酔のリスクを考え、とりあえず点眼治療で経過を見ることになりました。
穿孔した穴は点眼治療のみでは思うように回復は難しいのですが、この症例は4日目には眼房水の流出がほぼ見られなくなりました。過去の同症例でもこんなに早く回復傾向を見せたものはありませんでした。
確認のために眼瞼縫合も外して眼科検査を行いました。



これが眼表面の写真ですが、予想よりも早く穿孔部が塞がっていました。
眼内エコーも実施したところ、ある事実が見つかりました。



この画像をみると、本来は中央にある虹彩が上側(角膜側)に移動しています。(矢印方向)
移動した虹彩が穿孔部を塞がりやすくっしているように感じます。
もしかしたらそれにより早い回復が得られているかも知れません。
まだ治療経過中なので、このまま順調に回復していけばいいなと願いつつ治療を続けています。

角膜穿孔や眼球破裂は緊急症例です。状況により外科治療、内科治療を健康状態を確認して最適な治療を選択していきます。
眼の異常時には、様子を見ずに診察を受けましょう。

獣医師 高木

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2021年1月 1日 金曜日

あけましておめでとうございます。

新しい一年が始まりました。
頂き物の写真ですが、福岡の初日の出です。



昨年末は、福岡県内各所より新規の患者さまが来院されました。

香椎ペットクリニックは年中無休にて診療業務を行っております。

本日から3日間も、
09:00~12:30
15:00~17:00
上記の外来受付時間となっております。

状態が悪い子など、全身検査を希望される患者さまは、
なるべく朝食を抜いた状態で午前中のうちに御来院ください。

今年も一年間、動物たちの健康を守って行けるよう精進してまいります。
オーナーさまにとっても、良い一年になりますように。。。

獣医師;河野

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