動物病院コラム

2021年6月29日 火曜日

狂犬病ワクチン

もうここ1~2年、自粛生活も続く中で皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。私は専らインドア派なので、おうち時間は無理なく過ごせていますが、居酒屋やカラオケが恋しかったりもします。

さて、福岡市でも65歳以下のワクチン接種の予約がいよいよ開始されますね。ワクチンの普及率が上がれば、日常でマスクを外せる日を迎えることができるのでしょうか。

そんな期待の膨らむワクチンですが、ワンちゃん・ネコちゃんにも色んなワクチンがあるのをご存知ですか?今回はその中でも日本の法律で、ワクチン接種が義務化されている、ワンちゃんの病気「狂犬病」についてお話ししたいと思います。

日本では1950年狂犬病予防法が制定され、ワクチン接種や野犬の捕獲が行われた結果、1957年での発生を最後に撲滅に成功しています。ゆえに、わが国では64年間は狂犬病の発生がないのです。

ではなぜ今でもワクチン接種をしなければならないのか、について考えていきたいと思います。

狂犬病はウイルスによって全ての哺乳類に感染するといわれています。なのでワンちゃんだけでなく、ネコちゃんにも牛にもコウモリにも、もちろん人にも感染します。

下の図は、厚生労働省が2016年に作成した世界の狂犬病の発生状況を表しています。なんと、清浄国は島国しかありません。狂犬病ウイルスはあらゆる哺乳類の間で保菌されてしまうので、撲滅するのが難しい理由の1つと言えます。



このように、海外ではまだまだ身近で恐ろしい病気です。発症した人のほとんどは犬の咬傷によって感染しており、その致死率はなんと100%です。ただし、人から人への感染はありません。ゆえにワンちゃんの体内の狂犬病ウイルスをコントロールできれば、この病気には怯えることなく生活ができるのです。ここまでウイルスが世界全体に蔓延している中で日本がワクチン接種をやめてしまうと、万が一日本に狂犬病ウイルスが入り込んでしまった際は一瞬で感染が広がりそうです。

ワンちゃん・ネコちゃん達と私たちが今後もともに健康で一緒に暮らしていくためには、ワクチン接種が欠かせないものとなりそうですね。そうであっても、ワクチンに対して不安に思うことやわからないことはあると思いますので、その際は当院にご気軽にご相談ください。

獣医師 田上

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

2021年6月16日 水曜日

犬の甲状腺腫瘍

今回は犬の甲状腺腫瘍の症例を紹介します。

本症例は定期的にトリミングで来院されており、体調は問題なかったのですが体重がどんどん落ちていた為、触診してみると喉のあたりに5㎝大の腫瘤が認められました。

精査のためにCTや細胞診検査などを実施いたしました。



喉の部分にしこりが認められます。

このしこりに針を刺して細胞を採取して顕微鏡で確認しました。


このような細胞が採取され、血液検査にて甲状腺ホルモンが異常高値を示していた為、甲状腺癌と診断いたしました。
(正確には通常の甲状腺より頭側に位置する、異所性の甲状腺癌と診断いたしました)

甲状腺癌の治療は主に外科的な切除と放射線治療となります。

今回の症例では、腫瘍により喉を形成する骨の一部が溶解しており、手術をすることで嚥下機能などに障害が出てしまう可能性もあり実施が困難でした。

また放射線治療についても、費用や本人の負担を考えて実施しないことになりました。

効果があるか微妙でしたが、抗がん剤の飲み薬を処方して経過を見ております。

体重減少傾向は依然認められておりますが、元気にご飯も食べてくれております。

体調に大きな異常がない場合でも、触診によって大きな病気が見つかることもあるということを改めて実感いたしました。


獣医師;永松

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

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