動物病院コラム

2018年9月19日 水曜日

CT検査vol.14

今回は顎の関節が脱臼してしまった猫の症例を紹介します。
この症例の猫は階段から落ちてしまって、口を痛がってるとのことで来院してきました。

口を診ると、上の歯と下の歯の噛み合わせががやや左右にズレていました。

そこで骨に異常がないか、顎の関節が脱臼してないかを確認するために、レントゲンを撮影しました。
しかし、骨には異常はなさそうでしたが、脱臼してるかどうかはレントゲン上ではよくわかりませんでした。

そこでCT撮影を行うことにしました。


上のCT画像は猫の顎下を下から覗いた3Dの骨格画像です。
異常があるかわかりますか?




右の顎関節が脱臼して外れているのです。
本来ならば青のラインでなぞった部分の骨のように上顎骨と下顎骨がくっついている状態ですが、
反対の赤のラインでなぞった部分の骨は、脱臼して上顎骨と下顎骨が離れてしまっています。

CT検査にて右の顎関節が脱臼していることが確認できたので、全身麻酔をかけて顎関節を元にはめ込みました。



上のCT画像は整復後の3Dの骨格画像です。

脱臼して時間が経ち過ぎてしまうと、顎の筋肉が硬直してしまい、整復できない場合があります。
その場合は顎の関節部位をメスで切開して、直接骨を出して整復しなければなりません。
今回は比較的早期にご来院頂いたので、手術には至りませんでした。

なので、少しでも飼われてる子の異常に気付いたら早めに病院に連れていってあげましょう!



獣医師 木場

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

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