動物病院コラム

2016年6月21日 火曜日

脂肪腫

脂肪腫とは、いわゆる脂肪の瘤(こぶ)で、
良性の場合と悪性の場合があります。

小型犬の内股にできた手のひらほどの大きさの脂肪腫の手術を行いました。
術前の写真です。



小型犬でこのサイズの脂肪腫はなかなかお目にかかれません。
この症例では、脂肪腫が筋肉の下から発生していました。
手術では丁寧に筋肉を剥離し、無事に摘出できました。


幸い、歩行に障害もなく、術後も順調に回復しました。
病理検査の結果、「良性」の脂肪腫でした。

今回はかなりの大きさの腫瘍でしたが、外科的に摘出ができ、
さらに良性だったのが幸いでした。

人間同様、ワンちゃんやネコちゃんには様々な腫瘍ができます。
例え良性であっても、大きさや出来た場所によっては摘出ができなかったり、
摘出できたとしても障害が残る可能性があります。
やはり早期に、なるべく小さいうちに取ってあげることが大事でしょう。

獣医師 河野

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

2016年6月10日 金曜日

犬のワクチン

みなさん、お家のワンちゃんのワクチン予防をされていますか?

当院では、5種と8種の混合ワクチンを勧めていますが、
そもそもワクチンってどんな効果があるか詳しくは知らない方もいらっしゃると思います。


病気の原因となるウイルスや細菌が犬に感染した時に、
それを犬自身が防御する力をつけておくのがワクチンの役割です。
免疫力を高めて、体内の抗体がウイルスや細菌の増殖をおさえ、発病を食い止めるのです。

母犬が抗体を持っていれば、うまれた仔犬へは母乳を通じて抗体が移行し、離乳近くまで仔犬は病気から守られます。
しかし、この移行する抗体は、だいたい生後50~100日の間になくなってしまいます。

なので、仔犬の時に何回かワクチンを打つ必要があるのは、
母犬からの移行抗体が仔犬の体内にまだ残っているうちにワクチンを接種すると、
ワクチンの中にあるウイルスや細菌の力が弱められて良い免疫が得られず、ワクチンの効果が失われてしまうからなのです。

一番良い方法は仔犬の体内に抗体がなくなったのを確かめてからワクチンを打つのが良いのですが、
そのための検査をするのに時間も費用もかかってしまうので実用的ではないのです。

なので、仔犬の移行抗体がなくなって、はじめて病気に対して無防備になる危険がある生後50~60日ごろにあわせて第1回の接種をし、
このワクチンが無効となるリスクを見越して生後100日前後までに1~2回の追加接種をする方法を勧めています。
それから、成犬のときには、この免疫を補強するために年1回の追加接種をする必要があります。

また、どの種類のワクチンを接種した方が良いのかなど、わからないことがありましたら、獣医師にご相談ください!
大切なワンちゃんのために感染症を予防しましょう!

獣医師 木場

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

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