動物病院コラム

2019年9月29日 日曜日

「獣医師出勤表」掲載のお知らせ

10月分の「獣医師出勤表」を、オフィシャルHPのトップに掲載しております。

ぜひご覧下さい。

(掲載形式については試験段階のため、今後変更の可能性があります)

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

2019年9月20日 金曜日

避妊手術

ちょっと前に、我が家のモモちゃん(チワワ♀)の避妊手術を行いました。
我が子に麻酔や切開を施すのは初めてではありませんが、嫌われたらどうしよう、とかちょっと心配な気持ちにもなったりするのです。

もちろん、嫌われないようになるべく優しく検査を進め、麻酔の導入時も声を掛けながら、なるべく不安を取り除くよう努めます。
そうやって全身麻酔に導入した後の写真がこれです。


全身麻酔においては必ず気管挿管を行い、心電図、脈拍、血圧、血中酸素濃度、呼気中二酸化炭素濃度、体温、吸気呼気中吸入麻酔薬濃度など、
全身的にモニタリングを行いながら、手術を進めて行きます。
当院では卵巣などを切除する際、なるべく糸などの異物を残さないよう、血管シーリングシステムを用います。
腹腔内手術でも用いられるこのシステムで、確実に止血しながら組織を切除します。

術後の写真がこれです(笑)


術前から投与している鎮痛鎮静剤の影響でこんな顔になってますが、
その投与のおかげで強い痛みを訴える事なく覚醒できました。
当院では、手術を行う全ての子に鎮痛鎮静剤を用い、痛みの緩和に努めています。

翌日には普段のモモちゃんに戻って、バリバリご飯を食べました♬

皆さまは避妊手術や去勢手術に対してどのようなお考えをお持ちでしょうか?
これらの手術は必ずやらなければならないわけではありません。
ただ、しっかりとメリットとデメリットを理解し、後悔しないように決めて頂ければと思います。
手術をお悩みの方は、遠慮なくご相談ください。

獣医師 河野

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

2019年9月11日 水曜日

肥満細胞腫について

今回の症例は肥満細胞腫についてです。
2才のフレンチブルドックのワンちゃんですが、耳に小さな腫瘤ができたとの主訴でした。

若齢の場合できる腫瘍として有名なのが 組織球腫と呼ばれる良性の腫瘍で、ある程度大きくなったとしても自然に退縮するのが特徴です。
腫瘤ができた場所によっては外科処置が必要なこともあるのですが、ほとんどは経過観察で 何の問題もありません。
2歳という年齢から考えても組織球腫かもというつもりで腫瘤の細胞診を行なったのですが、細胞診をしてみると肥満細胞が 確認できました。



肥満細胞腫は犬の皮膚腫瘍の16〜21%を占める腫瘍で 若齢では 3週齢でも報告がありますが、平均発症年齢としては9歳です。
好発犬種としてはボクサー、ボストンテリア、フレンチブルドッグなどの短頭犬やラブラドールなどの大型犬も含みます。
腫瘍のできる場所として多いのが皮膚ですが、皮下や粘膜、内臓にもできることがあります。

そしてこの腫瘍の特徴としてヒスタミンやヘパリンといった生理活性 物質を含むという点です。
ヒスタミンは腫瘤の部位に痒みを引き起こすため、ワンちゃんが掻きむしったりすることが多く、またヘパリンは 出血が止まらないといった症状に繋がります。
1番怖いのがヒスタミンショックで、肥満細胞が脱顆粒することによりヒスタミンが血中に流れてショック状態を起こし、最悪の場合死亡します。

この腫瘍は肺に転移することは少ないですが、付属リンパ節に転移している場合も多く、3cm以上の肥満細胞腫であれば転移リスク高いとの報告があります。
転移の可能性のある臓器としては脾臓と肝臓が特に注意が必要です。

また、ワンちゃんの予後に重要な因子なのがc-kitと呼ばれる遺伝子に変異があるかどうかです。
この遺伝子に 変異があると予後が悪いとされるため、変異あり無しで治療方針が変わります。
変異がある場合は分子標的薬を中心とした治療を行います。

このワンちゃん場合、c-kitの 変異がないとの検査結果が出ましたので、予後に期待したいところです。

この様に非常に小さな イボの様な塊でも腫瘍であることが多々あります。
ワンちゃんが若いからといって安心せず、イボの大きさに変化がある 、硬さに変化があるといった場合には一度検査される ことを お勧め致します。

獣医師の卵 関

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