動物病院コラム

2017年9月26日 火曜日

急性膵炎

みなさん、膵臓という臓器はご存知でしょうか?

簡単に言うと、血糖値をコントロールするホルモンを出したり、
食べ物の消化吸収に必要な消化液を出したりします。

わんちゃんやねこちゃんでもよく見られる、
嘔吐や下痢という消化器に関連するであろう症状。
これらの原因は本当に多岐にわたります。

そんな消化器症状の原因のひとつに、「膵炎」があります。
膵臓自体が炎症を起こしてしまっている状態です。
では、膵臓が炎症を起こす原因はなんでしょう?
実は、この原因もいくつもあるのですが、
よく遭遇するのは、「油っこいものを食べた」時に、
後に急性膵炎を発症するパターンです。

この「油っこいもの」とは、どんなものでしょう?
ずばり、わんちゃんの「おやつ」や、「人間のたべもの」です。
わんちゃん用のおやつでも、ジャーキーなど油っこいもの、
人間の食べ物だと、焼肉や揚げ物など。

膵炎はとても怖い病気です。
重症化すると腹膜炎を併発し、命に関わってきます。

「吐いて少し元気がない」
「あまり動こうとしない」
など、よくある症状ですが、
もしかしたらそれは膵炎を発症しているかも知れません。

特に、「何か食べた」などの心当たりがある場合は、
あまり様子を見る等せず、受診されることをおすすめします。

「膵炎」、頭の片隅に入れておいてください(^^)。

獣医師;河野

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

2017年9月13日 水曜日

CT検査vol.3

今回は犬の歯のCT検査を紹介して行きたいと思います。

みなさんの飼われているワンちゃんのお口の中の状態はどうですか?
ご自宅で頑張って歯磨きをしている飼い主さんもいれば、
歯磨きをしたいのにワンちゃんが嫌がって、
中々歯磨きをすることができない飼い主さんもいらっしゃると思います。

当院ではスケーリング処置または抜歯をする患者さんは少なくありません。

今までスケーリング処置をする際に、
その患者さんの歯の状態の評価して抜歯すべきかどうか判断する方法は、
歯科レントゲンで撮影して判断するしかありませんでした。

もちろん歯科レントゲンでもきちんと診断することはできますが、
これをCT検査で評価すると診断の幅が増えます。
歯科レントゲンでは口腔内の狭い範囲でしか評価できないのですが、
CT検査だと頭部全体を撮影しているので、
口腔内だけでなく鼻腔内の評価も可能となります。

例えば、上顎の歯根膿瘍(歯の根っこの化膿)が重度になると、
上顎骨の骨が溶け始めてバイ菌が鼻腔内に侵入し、
鼻炎を起こしてしまいます。

このような場合も、CT検査での評価が可能となります。

上の写真は、頭部を横から縦割りで撮影したCT画像です。
白く映っている部分は歯や骨の部分で、
少し解りづらいですが、赤い丸で囲っている部分の骨が、
周りの骨と比べて若干薄くなっているのがわかりますか?
これは上顎の骨が完全には融解していないので骨がまだ残っていますが、
少し融解して骨が薄くなっている状態です。

上の画像は一枚目の画像と同じもので、
頭部を正面から輪切りに撮影したCT画像です。
一枚目と二枚目の赤い丸で囲った部分は同じ場所です。

また二つの赤い矢印で示している部分は左右の鼻腔内の部分ですが、
異常はみられませんでした。

これらの様に、
歯科処置においてCT検査を導入することで診断の幅が広がりますし、
患者さんの状態をより詳しく知ることができます。

ワンちゃんネコちゃん達をより詳しく見て行く事が可能なCT検査を、
ぜひご検討ください。


獣医師 木場

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

2017年9月 9日 土曜日

毛周期停止(脱毛症X)

皆様は毛周期停止(脱毛症X)という病気を聞いたことがありますか?
この病気は原因は不明で、病態も十分に解明されていない脱毛を主体とする皮膚病です。全貌がよく解ってないため、過去には、成犬発症型低ソマトトロピン症、偽クッシング病、先天性副腎過形成、去勢反応性皮膚症など様々な名称で呼ばれていました。
発症年齢は一般的には2~3歳で発症し、雄雌いずれにも発症しますが雄に多いと言われています。また若齢だけでなく高齢なイヌで発症することもあります。好発犬種は圧倒的にポメラニアンが多く遭遇しますが、他にもトイ・プードル、チワワ、パピヨンなどで見られています。
臨床像は、全身症状や明らかな代謝性疾患を伴わない、体幹部を中心とした脱毛です。頸部や太腿の後側、頸部からはじまり、経過とともに全身に拡大しますが、頭部と四肢の被毛が残るのは特徴の1つです。

また脱毛しているところに色素沈着や軽度の脂漏症、二次的な膿皮症を伴うことも有ります。
診断には、犬種や特徴的な臨床像と、類似した症状を示す内分泌疾患を鑑別するために血液検査やホルモン検査、副腎の画像検査などを行い鑑別します。



こちらは毛周期停止と診断したポメラニアンの後ろからの写真です。太腿の後側から脱毛が始まり、肩の方まで広がっていきました。
 
この疾患はさまざまな内科的治療法がありますが、効果が一様ではなく、治療に苦慮することが多いです。ホルモン製剤や育毛に効果があるサプリメント、スキンケアの為のシャンプー、外用剤などを組み合わせて長期的に治療していきます。ただ脱毛は美容上の問題であり、体調を崩すことは無いため、治療せずに経過観察をするのも選択肢の1つではあります。



先ほどの症例の1年後の写真です。このワンちゃんは効果が認められ、発症前よりも毛量が増したとオーナーはおっしゃってしました。

皮膚病にはいろいろなタイプの疾患がありますので、何か変化があれば、一度診察を受けられてみてはいかがでしょうか?

獣医師 高木

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL