動物病院コラム

2018年6月27日 水曜日

CT検査vol.12

今回は耳道内が異常な症例を紹介したいと思います。





上の2枚のCT画像は頭部を水平に切ったものの断面図です。
1枚目の画像は上顎の歯が生えている部分より上側のラインの、
2枚目の画像は大体上顎の歯が生えているラインの水平断面図です。
2枚の画像を見てどの部分がおかしいかわかりますか?



赤線で沿った部分が反対側の青線で沿った部分より大きくなっており、
内側に何か溜まってる様にみえますね。

これは鼓室胞という耳の中の鼓膜より奥の部分の構造の異常です。

普通は青線で沿った鼓室胞のように中の部分が黒く抜けて何もない状態なのですが、
赤い線の方は中に液体か何かが溜まってる様にみえます。

ただ鼓室胞に液体が溜まっているだけなら中耳炎などでよく見られますが、
これは鼓室胞の骨ごと大きく拡大しています。

外科の専門の先生が診ても、
こんなに鼓室胞の骨が拡大しているのは、かなり珍しい症例らしいのです。

珍しい症例なので、手術方法がどういったもので、どういう経過をたどったか、
機会があればまたこの症例を紹介したいと思います。



獣医師 木場

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

2018年6月 8日 金曜日

耳の病気



これはある病気を治療中のワンちゃんの耳の写真です。

先端部分が少し削れています。
また耳の辺縁で広範囲に
脱毛とかさぶた(痂皮)が発生しています。

この病気は2年前から発症して、
良くなったり悪くなったりを繰り返しています。

本人は耳を痒がったり、気にしたりはしていません。
耳に触れると、身体の他の場所よりも冷たく感じます。


この症例は『皮膚血管炎』という病気で、
現在も加療中です。

皮膚血管炎とは、血管壁の炎症性変化をもたらす疾患です。
病原体の感染、食物アレルギー、薬剤アレルギー、
糖尿病や尿毒症、自己免疫性疾患、寒冷の刺激などに伴って起きるか、
原因がわからず起きることもあります。

症状は紫斑、壊死、潰瘍が
耳介や肢端、尾端、陰嚢、口腔粘膜に見られます。

耳介の場合は写真のように先端に潰瘍が発生します。



免疫の関与が強い疾患ですが、
治療は、まずは血管拡張薬を中心に治療を行い、
状況により免疫抑制剤やビタミン、必須脂肪酸なども
併用していく場合もあります。


きれいに回復する症例もありますが、
症状が再発する例も少なくありません。

その場合は、症状の緩和、軽減を
目指していきます。


このような皮膚のトラブルが見られたら、
病院で診察を受けましょう。



獣医師 高木

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