動物病院コラム

2019年10月27日 日曜日

CT検査vol.22

今回は症例ではなく、本院で使用しているCT画像を取り扱うシステムの機能の一つをご紹介させていただきます。



はじめにどの様な機能かと言いますと、CT画像で物体を抽出して、物の体積を測定する機能です。



また、その機能をどんな時に使うのか?

例えば身体のどこかに腫瘍などの塊状物が発生した時、だいたいの大きさなんかはレントゲンやエコー検査である程度測定することはできます。

エコー検査では、機械によってはある程度の体積も測定することはできますが、発生した物の部位によっては測定することはできません。

そんな時でCTであれば全体的に3Dの画像を構築することができるので測定可能です。



今回は実際に、胸腔内に塊状物が発生した症例の画像を使って簡単に紹介させていただきます。



上の画像は症例の3D画像です。





赤線で囲っているのが心臓で、青線で囲っているのが胸腔内に発生した塊状物です。

断面3方向の画像はこんな画像です。⬇︎(下画像)





これらの断面画像を使って塊状物を囲っていく作業を下の画像のようにしていきます。

(黄色い線で囲っていきます)







これをある程度の感覚で作業していくと下の3D画像のように塊状物だけを抽出することができます。



抽出できたら、後はボタンをクリックするだけで簡単に体積を測定することができます。



簡単そうに見えますが、そこそこ抽出作業が実は面倒です(笑)



このように物の体積が測定できると、例えば抗がん治療をして腫瘍がどれだけ小さくなったのかも正確に測定することができますし、また手術前においてもどの程度の大きさのものなのかも把握することができます。



こういった機能を上手く使って、今後の診療に役立てるように活用していきたいと思います。


獣医師;木場

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2019年10月 8日 火曜日

猫の角膜分離症

この病気は、角膜黒色壊死症とも呼ばれており、角膜上に黒色斑が形成されるのが特徴です。
発症初期は薄茶色に変色し、特に症状はありませんが、進行すると黒く痂疲状に変色し、壊死組織となっていきます。
 
症状としては角膜表面が濁ってきたり、流涙や目ヤニが増えたり、疼痛症状も見られてきます。
壊死組織が剥離されると、角膜潰瘍が生じ、重度になると角膜穿孔にまで至るものもあります。

どの品種の猫でも起こりうる病気ですが、ペルシャ、ヒマラヤン、シャムの発生が多く報告されています。

詳しい原因やメカニズムは不明と言われていますが、猫ヘルペスウィルス1型の感染による慢性の角膜潰瘍や眼瞼内反症などによる慢性刺激などが原因と考えられています。
猫ヘルペスウィルス1型は「猫カゼ」を起こすウィルスですので、慢性化した猫カゼの猫ちゃんは注意が必要です。

治療は基本的には対症療法になり、角膜潰瘍に対する内科治療(点眼剤)や猫カゼ症状もあれば抗ウィルス治療も行います。
内科治療に反応しない症例や、壊死組織の脱落により角膜穿孔が起これば外科手術が必要になります。
 


写真の症例は、涙が増えていることと1ヶ月前から眼に黒いシミが出来てきたということで来院された10歳の雑種の猫ちゃんです。
この猫ちゃんは、以前からくしゃみ・鼻水などの猫カゼ症状が長期化していたそうです。
現在は点眼治療、内服治療で経過観察中です。

この病気は治療に際して、長期的な経過になることが多く見られます。
定期的に再診を行い、状況の変化を確認しながら治療を行っていきます。

普段から、涙や目ヤニが多く、症状が持続している時は診察をお勧めします。

獣医師 高木

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