動物病院コラム

2018年12月 4日 火曜日

CT検査vol.16

今回は生後3か月のトイ・プードルの骨折の症例を紹介していきたいと思います。

まず、骨折と言ってもいくつかに分類されており、骨折の原因、部位、折れ方などで分けられます。
今回の症例は、ソファーから落ちてしまい、外部から衝撃をうけたことで脛骨の中央部分で骨折してしまった症例です。
脛骨は後肢の骨の一部です。

それでは、どんな骨折をしているかCT画像を診てみましょう。

上の画像は後肢の骨の3D画像ですが、どの部分が骨折しているのかわかりますか?

青い線でなぞった部分が骨折している部分です。明らかに骨折線がみえますね。

今度は3D画像の方向をかえて診てみましょう。

1枚目の画像は骨折している左後肢を内側から診ている画像ですが、3枚目の画像は正面から診ている画像です。
3枚目の画像では骨折線が途中で終わっているのがみられます。

今度は左後肢を外側から診ている3D画像です。
これは骨折線がみられず、骨折してないようにみられます。

こうして、3D画像で骨折している左後肢の画像を内側から外側にかけてみていると、脛骨自体は一部で繋がっており2つに分かれて折れてないようにみえるのがわかります。
これを不完全骨折といい、脛骨に亀裂が入っている状態です。


今回の症例の子は、2つまたはそれ以上にバラバラに分かれるような完全骨折ではなかったので、手術には至らず包帯固定のみで管理しています。

最近の小型犬は本当に小さい子達が増えてきているので、ちょっとした衝撃で骨折するケースは少なくありません。
骨折しないように注意して管理していきましょう。


獣医師 木場

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

2018年11月18日 日曜日

コンタクトレンズ

皆さんは犬猫にもコンタクトレンズがあることをご存知ですか?
僕らのように視力の矯正のために使うわけではありません。

では何のため? もちろん治療の目的で使用していきます。

こちらがそのコンタクトレンズになります。



見た目は人間用のコンタクトレンズと変わらないですよね?
製造販売されている会社は、人間用コンタクトレンズを取り扱っている某有名メーカーです。
私達が使っているコンタクトレンズの技術が応用されているそうです。

装着方法は人間用と同様に角膜表面に密着させるようにします。
装着するとこのような感じになります。



このコンタクトレンズは、角膜の保護、疼痛緩和を目的として使われます。
角膜潰瘍や難治性角膜上皮びらんなどの激しい痛みを伴う際に、
刺激や乾燥から角膜を保護して痛みを和らげます。

治療をしていく上で、少しでも苦痛が少ない方法で改善していければ、
それがベストと考えております。

獣医師 高木



投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

2018年11月 4日 日曜日

CT案内のポスターを掲示しています。


本院に昨年導入された最新の80列CT装置ですが、

撮影数、紹介症例も増え、よりその存在感が増してきています。

加えて、週二回の画像診断専門医の読影診断により、より精度の高い検査となっております。

そのCTを紹介するポスターを、本院のロビー、分院にも掲示しております。

より身近な高度医療の提供に、今後も力を入れていきたいと思います。

獣医師 河野



投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

2018年10月24日 水曜日

CT検査 vol.15

今回はCT検査での脳疾患の症例を紹介したいと思います。



脳の画像診断に関しては、CT検査に比べ、より組織の状態がわかるMRI検査の方が優れていますが、CT検査でもある程度診ることができます。



今回の症例は犬の髄膜腫です。

髄膜腫は一般的には高齢の犬猫に発生し、最も発生頻度の高い脳腫瘍です。

また、犬の場合は隣接する正常脳へ腫瘍細胞の浸潤をともなう悪性所見を示すものが多いのですが、それに対して猫の場合は良性の場合がほとんどで、正常脳との境界が明瞭なことが多いです。







上のCT画像は造影剤を流して撮影した画像ですが、どこに腫瘍があるかわかりますか?





赤い丸で囲った脳の部分に造影剤で白く染まって撮影されている部分が腫瘍です。

頭の前の方に位置する前頭葉と呼ばれる部位に腫瘍が発生しています。

ちょうどオデコのあたりの脳ですね。





違う断面のCT画像で見て診ると、前頭葉の中央を境界にして右側に発生しています。





この症例は犬ですが、腫瘍と正常な脳との境界がはっきりしており、他の脳への浸潤はありませんでした。



脳の手術はかなりのリスクを伴う難しい手術ですが、この症例の子は外科手術適応でした。

頭蓋内の手術に関しては、専門医院を紹介させて頂きます。

手術は無事成功し、現在では元気に生活しています。



最終的な診断として、腫瘍がどこまで発生しているかを詳しく診るにはMRI検査が必要となってきますが、CT検査でも、このように脳の疾患はある程度発見することができます。



MRI検査だと撮影に時間がかかるのでどうしても麻酔処置が必要になってきますが、当院の80列CT検査では撮影が早いので、麻酔処置なしで撮影することができます。

なので、てんかん発作やふらつきなど、脳疾患を疑うような症状があれば、まずはCT検査を行ってみるのもいいと思います。

病気の早期発見をしていきましょう。





獣医師 木場


投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

2018年10月 6日 土曜日

乾性角結膜炎(KCS)

拭いても拭いても止まららない眼脂(目ヤニ)になったことはありませんか?



眼脂が主症状となる病気の代表として、乾性角結膜炎という病気があります。

一般には「ドライアイ」と呼ばれ、涙液の水分量が減ることによって起こります。

眼球の表面は涙(涙液層)で覆われていますが、この涙は三層構造になっており、外側から油層、水層、ムチン層(粘液層)に分かれます。この三層のどこかに異常があれば涙液の水分量は欠乏します。それにより角膜の上皮への酸素や栄養が不足したり、表面の乾燥から傷つき、炎症反応が起こります。また角膜炎だけでなく、角膜潰瘍、角膜穿孔、重症例では視覚障害も起こります。



原因は様々で、感染症(ジステンパーウィルス)、特発性(自己免疫性)、神経性(涙液の分泌や眼瞼の動き)、薬剤誘発性、内分泌疾患(甲状腺機能低下症など)、外的要因など多岐にわたります。この中で一番多い原因となるものは自己免疫性と言われています。



検査は涙液量を測るシルマーテスト(STT)、角膜も損傷状況を確認するフルオレセイン染色、眼瞼や角膜、結膜の異常がないか等を行います。

特にシルマーテストは初期のKCSの検出にも役立つ有用な検査です。



これがシルマーテストの試験紙です



このように眼と瞼の間にはさんで、一分間の涙の量を測ります。



潤って見えても、測定してみたら正常値を下回っていて、この病気の発見に繋がった例もあります。

簡単に行える検査ですので、気になる方は気軽にご相談ください。



獣医師 高木

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL