動物病院コラム

2019年8月13日 火曜日

CT検査vol.21

今回は心臓腫瘍の症例をレントゲン画像とエコー画像と一緒に紹介したいと思います。



上のレントゲン画像では、肺の部分がかなり真っ白にうつっており、大量の胸水が溜まっているのが確認され、この時点では心臓が悪くて胸水がたまってしまったのかな?と考えていました。

胸水がたまってかなり苦しそうだったので、胸に針を刺して胸水を抜く処置をしました。



上の画像は胸水を抜いた後の胸部のレントゲン画像です。
たまってた胸水を抜いたので、1枚目の画像で白くうつっていた部分が消えて黒く抜けているのがわかりますね。
肺の中は空気で満たされているので、通常レントゲンにおいて肺の部分は黒く抜けてみえます。

胸にたまっている胸水がなくなったので、心臓の形もわかりやすく見えるようになりました。

次に心臓のエコー検査をしました。
すると、心臓に心室拡大や逆流はみられませんでしたが、4~5cmほどの塊状物が確認されました。



上の画像が心臓のエコー検査で発見された塊状物の画像です。

正直、エコー検査では心臓に何かある程度しかわからなかったので、正確に心臓のどの位置に存在しているか?腫瘍なのかどうかを知るためにCT検査を実施しました。





CT画像でみると、心基部(心臓の頭側)の所に造影剤が強調されている部分があり、明らかに腫瘍性のものを疑う物が確認されました。
(赤い丸で囲った部分が腫瘍です。)

エコーでは塊状物が心臓の内側にあるのか、外側にあるのかもわかりづらかったのですが、CT画像で確認すると外側に発生しているのが確認できました。

ここで2枚目の胸水を抜いた後のレントゲン画像とCT画像を比べてみて下さい。
レントゲン画像だけではまさか心臓に腫瘍ができているなんて思いもよりませんでした。

ひとつの検査だけでは病気を見逃してしまう可能性があるのだと改めて実感しました。

今後とも病気を見逃してしまうことのないようにしっかりとした検査を心掛けようと思います。


獣医師 木場

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2019年8月 2日 金曜日

難治性角膜潰瘍

角膜潰瘍とは角膜上皮が損傷し、実質まで到達した状態を指します。難治性角膜潰瘍とは一定期間の治療を行っても改善が見られない潰瘍を表します。
この病気の同義語として、無痛性角膜潰瘍、ボクサー潰瘍、再発性上皮びらん、慢性角膜上皮欠損、SCCEDsなどがあります。

通常、角膜上皮が損傷するとすぐに損傷部位の周囲の上皮細胞が反応して、損傷部(欠損部)に覆いかぶさるようにして修復していきます。しかし修復された角膜上皮がその下にある実質にくっつかずに浮いた状態になることがあります。これでは角膜潰瘍が治癒した状態ではないので、痛みも収まらず、涙や目やにも改善しません。

フローレス検査やスリットランプ検査で、損傷部や角膜表面を精査して診断していきますが、診察までの経緯やお家での状況(いつから症状があるのか、日によって状況が違うのか等)も診断には重要な要因になります。

この病気の治療は点眼だけで治すことは困難で、浮いた角膜上皮を剥がすデブライトメントや、表面に敢えて傷をつけて上皮の接着を促進する点状または格子状切開を組み合わせて治療していきます。



右下あたりに白く円型になったところが角膜上皮が浮いているところです



染色検査を行ったところ、緑色の染まっているところ全体が上皮が損傷している部分です。この症例は点眼治療と外科治療の組み合わせで改善しました。
しかし、この病気は『再発しやすい』という厄介な特徴を持っていますので、十分にオーナーにインフォームドして経過観察しています。

なかなか治らない眼の痛みが見られたら、この病気の可能性もありますので、
様子を見ずに診察を受けましょう。

獣医師 高木

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2019年7月14日 日曜日

新しい家族

我が家にメスのチワワが新しく仲間入りしました。





うちに来た頃は体重1kgで、
それはそれはとてもしおらしく(笑)控えめな性格でした。

4kgを超える先住のメスの黒猫×2とうまくやっていけるか心配でしたが、
良いお姉ちゃんとして、しっかり教育してくれているようです。

写真をご覧ください。猫パンチの瞬間です(笑)




黒猫のパンチは、ほぼ確実にヒットします(笑)。
ものすごい動体視力なんでしょうね。

ちなみに、我が家の猫は夏前に全身バリカンをかけるので、
しかも、鎮静も無しで僕がやるので、、、
写真のようなちょっとみすぼらしい感じになります(笑)

さて、このチワワですが、
実は慣れてきた頃から噛み癖がひどくなって行きました。

僕にも血が出るくらいの強さで噛んできたので、
首根っこつかんで、マズルをしっかり持って、
この子が諦めるまでその手を緩めません。
もちろん、この子も最初は本気で抵抗してくるので、
こちらも無傷ではありません。

しかし、最初が肝心で、
ここでこちらが怯んでしまうと、
その子は噛むことが武器になると認識してしまいます。
そうなるとこの先非常に厄介です。

大人しくなった頃には、
その辺りに失禁した尿が散乱していました。
仕方ありません。
これも教育的指導なんです。
この先、共同生活を営む上で必要なことだと思います。

その時を境に、
強い力で噛んでくることは無くなりました。
噛む力をコントロールできるようになったのです。
もちろん甘噛みはしてきますよ。

しつけは、非常に難しいとは思います。
やり方を間違えると、益々エスカレートし兼ねません。
以前のブログにも書いたように、
10匹入れば10匹の性格があるわけで、
単一のしつけ方が通用するとは限りません。
がしかし、やはり僕や先住猫がやったような、
教育的指導はある程度必要かなと思います。

そんなやり取りも含め家族なのかな、とも思います。

新しく家族を迎え入れる飼い主の方々、
お互いに、優しく、時に厳しく、
そして楽しい愛犬愛猫ライフを送りましょう(^^)

獣医師 河野

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2019年7月 3日 水曜日

初めまして

みなさん、はじめまして!
5月から香椎ペットクリニックに勤め始めました獣医師の永松と申します。
今回は初めてなので自己紹介をさせて下さい(^^)
まずは私の簡単な経歴をお話しします。

小中高と福岡で過ごし、鹿児島大学にて獣医学を学びました。
卒業後は東京の動物病院で4年間勤務医として獣医療に携わってきました。
そして生まれ育った福岡に帰省し、香椎ペットクリニックで働くことになりました。

実家は香椎ペットクリニックから歩いて10分程のところにあります(笑)。

香椎ペットクリニックは最先端のCT装置を備えており、より高度な獣医療を皆さまに提供できると考えております。
これからも一生懸命に自分の知識、技術を磨いていこうと思います。



そんな中、25歳を過ぎたあたりからお腹が出てきた私は、、、



トレーニングを始めました(笑)。
時間がある時は自転車を漕いで有酸素運動!





また、先日実家から新居に引っ越しました。
まだほとんど家具家電が揃ってないので、これから少しずつ買い揃えていこうと思います。
なにかオススメのものがあれば教えて下さい(笑)。


簡単ですがこれくらいで.........
これからよろしくお願い致します。

獣医師;永松

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2019年6月25日 火曜日

胃拡張捻転症候群について

今回の症例は犬の胃拡張捻転症候群についてです。食後、急に嘔吐、腹部が張り苦しそうとのことで急患として運ばれてきました。
胃のレントゲンを撮影してみるとこのようになっていました。


これは胃が捻転し拡張した画像を示しています。胃内部にガスが溜まり膨らんでいます。胃捻転拡張症は胃の拡張と胃腸間膜における胃のねじれに起因する、主に犬の急性疾患です。原因は解明されていないのでやっかいですが、危険因子として1日1回の多量の食事、早食い、食後の激しい運動などがあげられます。

好発犬種として大型犬などの胸の深い大型犬や超大型犬に多いとされていますが、小型犬でも発症しうる病気で、致死率が高いです。ちなみに今回の症例はウェルシュ・コーギーでした。

胃が拡張するだけの場合より捻転を伴ったものが多くより緊急性が高いです。拡張・捻転した胃によって肝臓の門脈や後大静脈が圧迫されるため、結果として各種臓器への血流が不足し、低酸素症が起こります。特に心臓への血流不足は要注意とされていて、不整脈が発生し、死に至ります。

この症例は緊急にオペが行われましたが、その際に大事なのが低酸素によって壊死した組織の除去です。壊死していた部位が残るとその後の予後は悪いとされています。

この疾患は術後の管理がとても大切で、不整脈、再灌流障害、感染、播種性血管内凝固(DIC)が起こる可能性があるため気が抜けません。

術後、レントゲンを撮影してみると正常な位置に胃が整復されていました。



このワンちゃんは発症後の処置が迅速だったため、術後元気な姿を見せてくれました。もし、御自宅の愛犬が食後すぐに、嘔吐、腹囲膨満、呼吸困難などの症状が現れたら、迷わずかかりつけの動物病院に連絡して、検査をして下さい。すぐに対応することで生存できる可能性が高まります。

獣医師の卵 関

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