動物病院コラム

2017年1月21日 土曜日

お口のバイ菌について

薬局に行くと、色んなお口のケア商品が並んでいます。
歯ブラシや歯磨きペーストでも、たくさんの種類があります。

マウスウォッシュもその一つ。
私もマウスウォッシュをよく使っています。
なぜなら私自身、非常に虫歯ができやすいからです。
虫歯になってない歯は一本もありません(笑)。

これまでのマウスウォッシュの内容は消毒液。
口の中を菌の数を減らす事で、歯周病や虫歯を防ごうというものでした。

しかし、このところ薬局に並んでいるマウスウォッシュに新しい物が並んでいます。
内容は、乳酸菌で歯周病や虫歯を防ごうというものです。
ん?どういうこと?
調べると、ある種の乳酸菌が口の中の悪い菌を退治してくれるとのこと。
その乳酸菌は、虫歯の無い人が口の中に持っていた菌とのこと。

これは私にとって衝撃的な内容でした。
これまで私は歯石がつきやすい人は虫歯になりにくい、
虫歯になりやすい人は歯石がつきにくい、
つまり、これらの菌がどの程度どのくらいの割合で存在するかによって、
その人の歯周病のなりやすさ、虫歯のなりやすさが決まると思っていたからです。

私の身近な人でも、虫歯や歯周病にほとんどならない人が何人もいます。
そういう人たちは、おそらくそういった乳酸菌が口の中に存在するのでしょう。

消毒液で口の中の菌を一掃するのではなく、
菌によって選択的に悪い菌だけを排除する。
これは、非常に効率的かつ、体に優しい方法だと思います。

それでは、ワンちゃんネコちゃんにはそういったマウスウォッシュはないのか?
実はあるんです。
ある種の善玉菌を原料とした「デンタルバイオ」というサプリメント。
マウスウォッシュではなく錠剤タイプですが、砕いてあげることでより効果的に働いてくれるでしょう。


もちろん、こういったサプリメントだけではなく、
日常的なブラッシングが大事なのは言うまでもありません。

すでに歯石がついている、口臭がひどい等がある場合は、
まずしっかりとした歯科処置をしないといけません。

総合的なオーラルケアについて、お気軽にご相談ください。
当院では最新の機器で、専門的歯科治療を行っております。

獣医師;河野


投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

2017年1月15日 日曜日

外耳炎

今回は外耳炎についてお話しいたします。

最初に、犬猫とヒトの耳道は形が違います。
ヒトは鼓膜まで一直線に繋がっているのに対して、犬猫は垂直耳道と水平耳道から構成されておりL字型になっています。

外耳炎は、鼓膜から外側の耳道に発生する炎症性疾患です。
原因としては、外耳道に細菌や真菌が繁殖して感染して炎症が起こったり、異物や腫瘤性病変によるものだったり、耳ダニの感染、アレルギーによるものがあります。

飼ってる子で、良く耳を痒がって擦ったり、首や耳を振ったり、耳を触ろうとすると攻撃的になったりしていませんか?
この様な行動が見られたら耳に炎症が起こっている可能性が高いです。

特に耳を後ろ脚などで掻いている子は、放置しておくと、掻くことによって耳を傷つけてしまい、さらに炎症を悪化させる悪循環を招いてしまいます。

外耳炎はその原因により治療法が違ってきます。
治療には耳の洗浄が効果的ですが、それと同時に外耳炎を引き起こした原因を取り除くことが大事です。

耳ダニに寄生された子には駆虫薬を投与しなければなりませんし、細菌・真菌に感染された子には抗菌薬、抗真菌薬を投与しなければなりません。
細菌・真菌による外耳炎は、これらが繁殖してしまう環境を取り除くことも治療に繋がります。
外耳道内に生えた被毛や垂れた耳介などは外耳道が高温多湿になりやすく、微生物が繁殖しやすい環境になってしまいます。
なので、定期的に被毛を取り除いて洗浄したりして出来るだけ耳道内をキレイに保ちましょう。

また、外耳炎が慢性化してしまって耳道が狭くなってしまってる子もいます。
耳道が狭くなっていては耳道内に洗浄液が届きにくく、キレイにすることもできません。
このような子にはステロイドなどの炎症を抑える薬を投与して、耳道の狭窄を改善する必要がある場合があります。
それでも治らない場合には外科的な処置を施さければならなくなってしまうことがあるので、少しでも耳に異常を感じたら早めに病院に連れていきましょう。

外耳炎の治療には時間もかかりますし、治療経過をみるために定期的に通院してもらわなければならないので飼い主さんの手間もかかります。
点耳薬も毎日投与しなければならなかったりと大変ですが、最近では数回投与すれば効果が持続する点耳薬も出てきています。

もし、ご自宅で飼われている子で耳を気にしていたり汚れていたりしている子がいましたら、一度病院でみてもらってはいかがでしょうか?

飼っている子、または飼い主さんにとってどのような治療がベストなのか一緒に考えてみましょう!



獣医師 木場

投稿者 香椎ペットクリニック | 記事URL

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