動物病院コラム

2019年4月23日 火曜日

心原性肺水腫について

はじめまして!4月からこの病院で働かせて頂いている獣医師の卵の関と申します。大学卒業後働いていましたが、獣医師になる夢を叶えるために再度大学に入り直し、4月から、こちらの病院で働きはじめました!なので30代なのに新人です(汗 今後しっかり勉強させて良い獣医師になれるように頑張っていきます!



今回は肺水腫のワンちゃんたちのお話をさせて頂ければと思います。肺水腫とは簡単にいうと肺に水が溜まった状態で、肺が十分に膨らむことができず呼吸が苦しくなります。その多くは心原性肺水腫といって心臓の病気が悪化することで血液の循環が悪くなり発症します。

来院するわんちゃんたちの主訴は「呼吸が苦しそう」、「咳をしている」、「ゼェゼェいう」と言ったものが多く、肺水腫と診断されたわんちゃんのレントゲンはこちらの画像の様に撮影されることが多いです。



通常よりも心臓の周り、つまり肺部分が白く写り込んでいます。

また、超音波検査では心臓のエコーでの血流の乱流が確認できます。



通常の心臓のエコーは血流が一方向に流れているため、青色と赤色の模様がほとんど混ざり合うことがありません。しかしながら、僧帽弁逆流などの心疾患が起こっていると、心臓で血液の流れが悪くなります。そのため心臓のエコーでの血流がカラフルに画像化されます。この様な病態のため、心臓から肺に負荷がかかって水が貯まり、呼吸が苦しくなります。

 

治療法としてまず第1に行うことが多いのは利尿薬を投与することです。利尿薬はその名の通り尿の利用を促進させる、つまりオシッコをいっぱい出させるお薬です。この薬の効果で肺に溜まった水分を尿として体の外に排出させ、心臓の負担を軽くしていきます。肺に水がなくなることで肺胞から十分に酸素を供給することが可能となり、呼吸が楽になっていきます。


利尿薬と心臓のお薬を併用して肺水腫を治療したレントゲン画像がこちらです。



どうでしょうか?先ほどの画像と比べても肺部分の白さが抜けているのがお分かりになるかと思います。

 

心原性肺水腫の多くは致死的になりうることから、緊急に対応が必要な病気です。ワンちゃんの呼吸が苦しそうといった症状を気付かれた時には、是非病院にて検査を受けられてみるのも良いと思います。



また、そういった症状がなくても、ある程度高齢になると心臓が悪くなるワンちゃんが多いのです。ご家族の健康のために一度心臓の検査を受けてみるのをお勧めします。

獣医師の卵 関

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2019年4月 9日 火曜日

CT検査vol.19

今回は血栓症の症例を画像を使って紹介いたします。

血栓症は、血栓が形成される血管の場所や血流の程度によって、無症状のものから致死的なものまで、生じる症状や重症度は様々です。

血栓が形成される原因として、三つの要素があります。それは、血管壁の性状変化、血流の変化、血液成分の変化です。
これらは、全身性炎症性疾患、免疫介在性疾患、腫瘍、心疾患、蛋白漏出性疾患、代謝性疾患などに続発して起こると考えられています。

それでは、画像を見ていきましょう。

今回の症例の子はIBDという炎症性腸疾患を患ってた子で、蛋白漏出性疾患から続発して門脈内に血栓が生じてしまった症例です。



上の画像は腹部の超音波検査で確認された画像ですが、最初はこれがまさか血管内に生じた血栓とは分からず、リンパ節なのか腫瘍性のものなのかと試行錯誤していました。

なので、CT検査をしてみると下の画像のように血管内に造影剤が染まらない部分があるのが確認されました。



わかりやすくするため、染まらない部分を青色で塗りつぶしてみました。

この塗りつぶした青色の部分が、血栓です。
CT画像を見た後に、再度腹部の超音波をあてて見てみると超音波でも血栓がある事がわかってきました。
先ほどのエコー画像で見てみましょう。


青く塗りつぶしているのが血栓で、その周りの黒く抜けている部分が血管です。

このように超音波検査とCT検査の組み合わせで、その正体を突きとめることができました。

CT検査で全てがわかるわけではありません。

数ある検査の中の一つです。

他の血液検査やレントゲン検査など複数合わせ、総合的に診断を下していきます。

人間と違って動物は喋ることができないので、なかなか検査を絞ってすることは他の病気を見逃してしまうリスクがあり、難しいです。

もちろん検査をするにも飼い主様の協力も必要となってきますので、今後も丁寧な説明を心がけ、飼い主様と一緒に診療をすすめていきたいと思います。


獣医師  木場

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