動物病院コラム

2019年10月 8日 火曜日

猫の角膜分離症

この病気は、角膜黒色壊死症とも呼ばれており、角膜上に黒色斑が形成されるのが特徴です。
発症初期は薄茶色に変色し、特に症状はありませんが、進行すると黒く痂疲状に変色し、壊死組織となっていきます。
 
症状としては角膜表面が濁ってきたり、流涙や目ヤニが増えたり、疼痛症状も見られてきます。
壊死組織が剥離されると、角膜潰瘍が生じ、重度になると角膜穿孔にまで至るものもあります。

どの品種の猫でも起こりうる病気ですが、ペルシャ、ヒマラヤン、シャムの発生が多く報告されています。

詳しい原因やメカニズムは不明と言われていますが、猫ヘルペスウィルス1型の感染による慢性の角膜潰瘍や眼瞼内反症などによる慢性刺激などが原因と考えられています。
猫ヘルペスウィルス1型は「猫カゼ」を起こすウィルスですので、慢性化した猫カゼの猫ちゃんは注意が必要です。

治療は基本的には対症療法になり、角膜潰瘍に対する内科治療(点眼剤)や猫カゼ症状もあれば抗ウィルス治療も行います。
内科治療に反応しない症例や、壊死組織の脱落により角膜穿孔が起これば外科手術が必要になります。
 


写真の症例は、涙が増えていることと1ヶ月前から眼に黒いシミが出来てきたということで来院された10歳の雑種の猫ちゃんです。
この猫ちゃんは、以前からくしゃみ・鼻水などの猫カゼ症状が長期化していたそうです。
現在は点眼治療、内服治療で経過観察中です。

この病気は治療に際して、長期的な経過になることが多く見られます。
定期的に再診を行い、状況の変化を確認しながら治療を行っていきます。

普段から、涙や目ヤニが多く、症状が持続している時は診察をお勧めします。

獣医師 高木

投稿者 香椎ペットクリニック