動物病院コラム

2016年5月29日 日曜日

子宮蓄膿症

こんにちは。
今回は子宮蓄膿症という病気についてお話ししようと思います。
獣医さんにとっては馴染みのある病気ですが、
飼い主さんにとっては一生涯に一度かかるか、かからないかという、馴染みの薄い病気だと思います。
が、発症してしまうと命の危険性があるため、この機会に是非知っておいてください!
子宮蓄膿症は発情後のプロジェステロンと言う黄体ホルモンの分泌によって起こりやすくなるため、
発情が来て2ヶ月後ほどが最も発症しやすくなります。
発情後?ということは、避妊手術により発情のない場合は?と思われた方がいらっしゃるかもしれません。
その通りでして、避妊手術を行った場合は子宮蓄膿症の発症を予防出来ます。
ですが、麻酔への不安や、メスを入れることを可哀想に思う気持ちから避妊手術をしないでいるメスのわんちゃん・
猫ちゃんは、子宮蓄膿症の危険性を持ちながら生活を送っていることになります。

子宮蓄膿症は上述した通り、発情後の1~2ヶ月の間に子宮で細菌感染(子宮内膜炎)が起こり、
その状態が続くと子宮に膿(細菌)が溜まってしまい発症します。
発症前には軽い病気状態にあるわけですが、物を言わないわんちゃん、猫ちゃんはよほど状態が悪くなるまでほとんど症状を出しません。
この時期に気付ける事は、お水をよく飲んだり、元気が無くなったり、陰部(お尻周り)がおりもの等で汚れたりという些細な事です。
いよいよ悪い状態になるとご飯を食べなくなったり、嘔吐をしたり、下痢をしたりと言った症状がみられます。
その状態では命に関わる為、手術をしても100%助かるわけではありません!
このような危険な状態になって、助からないかもしれない手術をするよりも、是非元気なうちに避妊手術を受けさせてあげて下さい。

子宮蓄膿症で手術により摘出した子宮卵巣の写真を掲載しますが、閲覧にはご注意下さい(加工済)




獣医師   新垣

投稿者 香椎ペットクリニック

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