動物病院コラム
2016年7月 1日 金曜日
犬の膀胱移行上皮癌
膀胱移行上皮癌は犬の場合、膀胱に発生する腫瘍の約50〜70%を占め、最も遭遇する機会の多い悪性腫瘍です。
中年以降のワンちゃんで抗生物質の治療をしているのに改善が乏しい膀胱炎(血尿)の症例では、必ず鑑別リストに入れる病気です
検査としては超音波検査で病巣の発生部位や浸潤度を確認し、同時に尿管や腎臓およびリンパ節に異常がないかも確認します。
こちらは血尿を主訴に来院した症例の膀胱の超音波画像です。
真ん中の黒い部分が尿になりますので、その上側の腫れている部分(矢印)が異常なところです。
これは膀胱の下側(お腹側)の粘膜が肥厚している状態です。
しかしながら粘膜が腫れているからすぐに腫瘍という訳ではありません。
炎症でも粘膜が腫れることがありますので更なる鑑別検査が必要になります。
これは膀胱鏡を使って、肉眼的に膀胱内を観察した画像です。粒粒した隆起(矢印)が異常部分です。
今回は鉗子で組織を採取して病理検査を行いました。
病理検査の結果は膀胱移行上皮癌でした。
この症例は血尿の異常が発見されて、病理診断が行われるまでたった一週間でした。
ただの血尿と思っていたら、こんな重大な病気が隠れていることもありますので、
不安に感じたらいつでもご相談ください。
獣医師 高木
中年以降のワンちゃんで抗生物質の治療をしているのに改善が乏しい膀胱炎(血尿)の症例では、必ず鑑別リストに入れる病気です
検査としては超音波検査で病巣の発生部位や浸潤度を確認し、同時に尿管や腎臓およびリンパ節に異常がないかも確認します。
こちらは血尿を主訴に来院した症例の膀胱の超音波画像です。
真ん中の黒い部分が尿になりますので、その上側の腫れている部分(矢印)が異常なところです。
これは膀胱の下側(お腹側)の粘膜が肥厚している状態です。
しかしながら粘膜が腫れているからすぐに腫瘍という訳ではありません。
炎症でも粘膜が腫れることがありますので更なる鑑別検査が必要になります。
これは膀胱鏡を使って、肉眼的に膀胱内を観察した画像です。粒粒した隆起(矢印)が異常部分です。
今回は鉗子で組織を採取して病理検査を行いました。
病理検査の結果は膀胱移行上皮癌でした。
この症例は血尿の異常が発見されて、病理診断が行われるまでたった一週間でした。
ただの血尿と思っていたら、こんな重大な病気が隠れていることもありますので、
不安に感じたらいつでもご相談ください。
獣医師 高木
投稿者 香椎ペットクリニック