動物病院コラム

2017年8月21日 月曜日

細菌培養検査

感染症という言葉は良く耳にすると思います。

感染症にも原因が色々あります。
寄生虫、細菌、ウイルス等です。

今回は当院で行ってる、細菌培養検査をご紹介いたします。

例えば外耳炎。

お耳の洗浄に通ったり、点耳薬を使ってもイマイチ良くならないケースがあります。
そもそもなぜ外耳炎になったかという、基礎疾患(例えばアレルギー等)をさぐることも重要です。
そして、今使っている抗生物質が、本当にその菌に効いているのか?というのも重要になってきます。


上の写真は、難治性の外耳炎の耳あかの中の菌を、培養して増やしたところです。
白い模様が、外耳炎の原因菌の塊です。

上の写真は、先ほど増やした菌を別の培地に移し替え、
そこに抗生物質が浸してある紙のディスクを置いてあるところです。

白いディスクの周りに、黒く丸く抜けている像が見れると思います。
この抜けている部分が、菌が増殖していない、または殺菌された部分になります。

つまり、この黒く丸く抜けている部分が大きければ大きいほど、その抗生物質が効いている、という事になります。
検査によっては、ほとんどの抗生物質が効かない場合もあります。多剤耐性菌です。

今回は幸い、いくつもの効果的な抗生物質がわかりました。
それにしたがって正しい処方を行います。
当院では耳、皮膚、尿など、必要に応じて迅速に細菌培養検査を行います。
早ければ翌日には結果が出ます。

世の中には様々な感染症があり、それに対する様々なお薬がどんどん作られ、
そのお薬にもどんどん耐性菌が発現し、またそれに対するお薬が開発され、、、と、
いたちごっこです。
どのお薬が効くのか効かないのか、その検査が重要になってくる場面は多々あります。

細菌培養検査。
オーナーの皆様にも選択肢の一つとして考えてもらえれば、と思います。

獣医師;河野





投稿者 香椎ペットクリニック

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