動物病院コラム

2018年2月16日 金曜日

CT検査vol.8

今回は犬に発生した腫瘍の症例を紹介したいと思います。

腫瘍の検査としてそれがどんな腫瘍なのか、
また良性のものなのか悪性のものなのかを検査するには
病理検査が必要になってきます。

その腫瘍が皮膚または皮下に発生したものであれば
触診や視診等である程度気づくことができますが、
身体の中に発生したものは
レントゲン検査、超音波検査やCT検査といった
画像診断が必要です。

特にCT検査では造影剤を使用して撮影すれば
その腫瘍が臓器にどの程度浸潤しているのかや
転移しているのかを知ることができ、
手術前に外科的に取り除くことができるのかどうかを知ることができますし、
術前にどのような方法で取り除くのか計画を立てることができます。

今回紹介するのは犬に発生した前立腺の腫瘍です。

これは造影剤を使用して撮影した
CTの3D画像です。
青い線で囲っているのが膀胱で
赤い線で囲っているのが前立腺です。

画像をみると
前立腺の腫瘍が膀胱に入り込んでいるように見えます。

CT撮影前の超音波検査では
膀胱内の腫瘍なのか前立腺の腫瘍なのか判断しづらかったのですが
CT検査で前立腺の腫瘍だと判断できました。

前立腺の腫瘍は去勢してない犬に
ある程度高齢になってから発症する可能性があります。

去勢手術をすることで、前立腺をはじめ、
いくつかの病気を未然に防ぐことができます。
もし、繁殖等の目的がなければ早めの去勢手術をおすすめします。


獣医師 木場

投稿者 香椎ペットクリニック

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