動物病院コラム

2018年3月13日 火曜日

膀胱結石のとある症例

今回はちょっと忘れられない症例のお話を紹介させていただきます。

症例は11歳のトイプードルのMix、避妊を済ませた雌犬です。

以前はかなりの肥満でしたが、
オーナーの努力で理想体型までダイエットが成功しました。
しかし2年前の夏に血尿が見られ、
検査の結果、膀胱結石による膀胱炎と診断されました。

膀胱結石の大多数は
ストラバイトとシュウ酸カルシウムの2タイプが占めると言われています。
ストラバイトの場合は、食事療法(療法食で結石を溶解)と抗生物質の治療になりますが、
シュウ酸カルシウムの場合は外科手術が選択されます。

こちらがその時のレントゲン写真です



赤線で囲まれた中の白い塊が、膀胱内の結石です。
いくつもの結石が集合して見えています。
尿検査でストラバイトの可能性が高かったので
すぐに食事療法と抗生物質による治療を開始しました。

しかし、思うように結石は溶解されません。
オーナーのお仕事の関係で、留守番が多く、
ついついおやつの頻度が増えてしまったとのこと。
療法食以外の食べ物を与えると、療法食の効果が十分に得られないのです。


結局、再診は1年近く後になりました。
数日前からまた血尿が見られたとのこと。
食事は療法食メインだったそうですが、
それ以外も止められなかったそうです。
1枚目の写真のおよそ1年後はこちらになります。



結石の数も増えて、
サイズも大きくなり、
明らかに状態は悪化していました。
食事療法では改善は望めないことをご説明して、
外科手術を行いました。
摘出した結石たちはこちらです。




ここまでの数と量は
あまり記憶にないぐらい大量でした。
記憶に残る一症例となりました。

間が空いた1年間は、
目に見えた血尿や頻尿など膀胱炎症状はなかったそうです。
オーナーはまさか悪くなっているとは思わず、
見た目が大きく変わったレントゲンを見てビックリされていました。

血尿は見た目の色が普通でも、
検査したら潜血反応が陽性だったということはよくあります。
もし膀胱結石に罹患したら、
徹底した食事管理と定期検査を行いましょう。

獣医師 高木

投稿者 香椎ペットクリニック