動物病院コラム

2018年8月 5日 日曜日

CT検査vol.13

今回は鼠径ヘルニアの症例を紹介したいと思います。

まず、鼠径ヘルニアとは太ももの付け根あたり(鼠径部)の鼠径管(腹筋の間にある縦に走る隙間)から、大網、脂肪、子宮、小腸、大腸、膀胱、脾臓などの組織や臓器が逸脱してしまっている状態をいいます。

外傷を受けて鼠径ヘルニアができてしまうこともありますが、今回紹介する症例は、もともと鼠径管が広く短い雌犬で発生したものです。

この症例の主訴は、足の付け根あたりに急に出来物ができたとのことでした。
触診や超音波検査でも、ある程度は鼠径ヘルニアであることはわかりましたが、CT検査によってすぐ診断することができました。


上の写真はCT画像の平面断面像です。
この写真から、どこの場所でどこから臓器または組織が逸脱しているかわかりますか?


青い線が途中で途切れている部分が鼠径管と言われる隙間です。
ここから赤い線でなぞった何らかの組織または臓器が片側だけ逸脱しているのがわかります。

CT検査後の手術にて、逸脱したものをみると腹腔内の脂肪でした。

今回は急に出て来たものがヘルニアではありましたが、腫瘍の場合もあります。


飼われている子達の異変に気づいたらすぐ病院に連れて行きましょう。

獣医師;木場




投稿者 香椎ペットクリニック