動物病院コラム

2018年8月17日 金曜日

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアと言えば、腰の病気と思われがちですですが、
椎間板が存在する場所(頚椎〜尾椎)であれば、
どこでも発症する可能性があります。

とは言え、当院で遭遇する椎間板ヘルニアで一番多いのは、
胸椎〜腰椎のヘルニア、いわゆる腰のヘルニアが多いです。
犬種で言えば、ダックス、プードル、チワワあたりでしょうか。

さて、その椎間板ヘルニアの診断ですが、
通常のレントゲンでは診断はできません。
椎間板も脊髄神経もレントゲンには写らないからです。
診断可能な検査は、MRIもしくは、レントゲンorCT&脊髄造影、となります。

当院においては、80列CTにて脊髄造影を行い、
迅速に診断、手術に移行できます。


背骨を、横から見てます。
黒矢印の部分で、白い線(造影剤)が途切れているのがわかりますか?
この部分がヘルニアをおこしている部分です。
椎間板から突出した物質が神経に密に接し、圧迫しているため、
造影剤が入る隙間がないので、こういう見え方になります。

次に、背骨を正面から見た写真です。

これは正常な部分の脊髄です。
黒矢印に囲まれた、綺麗な白の輪郭(造影剤)が見えます。

これが異常な部分の脊髄です。
先ほどの写真と異なり、右下が持ちあがって見えます。
ここが、ヘルニアをおこしている部分です。

このように、80列CT&造影剤により、
ヘルニアの場所、左右どちら寄りかを判断し、
迅速に手術に移行できます。

ただし、脊髄の損傷の度合いまではCTではわかりません。
神経疾患としてより詳細に見たい場合は、MRIとなります。

緊急手術になる事もしばしばある椎間板ヘルニアですが、
当院のCTも選択肢の一つとして考えて頂ければ幸いです。

獣医師;河野




投稿者 香椎ペットクリニック

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