動物病院コラム

2019年11月17日 日曜日

歯周病

皆さんのワンちゃん、猫ちゃんに顔を近づけた時、ひどい口臭がしたりしませんか?

またその他にも鼻水、くしゃみ、眼の下の腫れ、よだれがいっぱい流れる、
特に猫ちゃんでの食欲低下や体重減少の原因の一つとなっています。




人と違って犬や猫の歯の表面が虫歯になることはほぼありません。
歯の表面に食べカスなどが残り、そこに細菌が集まることで歯石を作ります。
しかし重要なのは歯の見えている表面ではなく歯根なのです。
歯の根っこに細菌が増殖したりして口臭や膿の原因を作ったり、
更に酷くなれば骨を溶かして穴を作り鼻水や眼の下の腫れなどの症状に繋がります。

ペットサロンなどで無麻酔歯石除去をみかけますが、
歯肉炎や歯周病の観点から言えば、やはり麻酔をかけて、
しっかりと歯周ポケットの歯石を除去しなければなりません。


じゃあどうしたらよいかというと、
歯科用レントゲンの設備を持った病院で歯石取りをお願いすることが重要となります。
私たちの病院では歯科用レントゲンの機材を完備し、
しっかりと歯根部のレントゲンを撮影し、抜歯するべきなのか、
それとも歯石除去やその他の処置でその歯を温存できるのか、
判断して処置を行うことができます。








ワンチャン、猫ちゃんを飼い始めたら若いうちからしっかりと歯ブラシで歯磨きをする、
食後は歯の汚れを拭き取るといった行為を心掛けてください。
ハミガミガムなどのみでは歯と歯茎の隙間の汚れをとるのは難しいです。
またそれでも歯石が溜まってしまうケースが多く、
年1回程度のスケーリングをお勧めしています。
定期的にスケーリングを行えば処置も軽くすみますし、
抜歯などがなければ日帰りです。

ワンチャン、猫ちゃんの寿命も今や20歳を越える子を見かけることも珍しくなくなりました。
歯周病は放っておくと腎臓、肝臓、心臓などへも悪影響を及ぼす可能性があります。
大切な御家族の健康を守るためにも一度歯石取りを検討されてはいかがでしょうか?


獣医師の卵 



投稿者 香椎ペットクリニック

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