動物病院コラム

2020年7月31日 金曜日

誤食 vol.3

前回、前々回と誤食のお話をしましたが、3回目として新たな誤食の症例を紹介いたします。
こんなにも紹介する症例があるくらい誤食の事故は多いものと思っていただいてもいいかもしれませんね。

今回は中年のチワワで、この子も食欲旺盛で、ご家族でお子さんが食事をしているときは、必ず側に居て、おこぼれを期待してスタンバイしているタイプでした。
その日、あるものを食べ終わって、ごみ箱に捨てようとしたときに誤って落としてしまい、刹那の瞬間、咥えて飲み込んでしまいました。
それから様子を見ていましたが、本人はケロッとしていたので、大丈夫かなと考えていたそうですが、数時間後に胃液を嘔吐しました。それで心配になり当院に受診されました。

稟告を聞き、まずはレントゲン検査を行いました。
そのレントゲン写真がこちらになります。



赤く囲んだ部分が、胃の中にある誤食した異物と思われるものです。



これが何だったかというと、



直径1.5cmの梅干しの種でした。

この症例は催吐処置により排出されなかったので、内視鏡により無事摘出されました。
以前から誤食癖があり、今回は2度目の誤食だったとのことです。

今回の症例も、前回お話しした症例と同じで、臨床症状が乏しい(嘔吐1回だけ)ものでした。それ以外に体調に問題がなかったので、飲み込んだところを見ていなければ、受診するまで日数があったかも知れません。

梅や桃などの植物の種、トウモロコシの芯など、人から見たら不要のものでも、動物たちからしたら、最高に興味を惹かれるものなのでしょう。

誤食に対する治療は、異物のある位置や、形状、材質、サイズ等の状況により、催吐処置、内視鏡、外科手術、経過観察などの選択肢から最適な方法を選んでいきます。
どの選択肢を選んでも、動物たちに負担をあたえてしまいます。私たちが十分注意をすれば、事故は未然に防げます。
このコラムを目にして、少しでも誤食事故率の低下に繋がればと願っています。

獣医師 高木

投稿者 香椎ペットクリニック