動物病院コラム

2020年9月 1日 火曜日

尿道結石

今回は泌尿器に大きなトラブルを生じてしまったワンちゃんをご紹介します。

6歳くらいのフレンチブルドッグでしたが、頻尿、血尿が主訴で来院されました。他院で抗生剤を処方され血尿は改善していたようですが排尿障害が重度で診察室でも排尿態勢を度々とっていましたが僅かにしか尿が出ていませんでした。

当院でレントゲン検査を実施したところ尿道に大量の結石が詰まっていることが判明しました。



上記のレントゲンは膀胱や後肢辺りを横から撮影したものですが



赤線で囲んでいる範囲内にゴロゴロとした結石が確認できます。

これが原因で重度の排尿障害になっておりましたので、まずはカテーテルを用いて生理食塩水を勢いよく入れることによって膀胱内に押し戻そうと試みました。

しかし残念ながらいくつかの結石が全く戻ってくれなかったので外科手術を選択しました。

術式としては陰嚢部造廔というもので陰茎先端まで続いている尿道を途中で切開して陰嚢部分に開口させるというものです。

なかなか言葉で説明するのも難しいので術後の画像をご覧ください。



このような形で排尿するための道を別の部分に造ってあげるものです。

これによりしっかりと尿を出すことが出来るようになりました。

残念ながら手術にはメリットもあればデメリットもあり、今回の手術では排尿がしっかりできるというメリットがありますが、尿路感染を起こしやすくなるというデメリットもあります。

手術を行う際はこのメリットとデメリットを比較し、手術を実施することで本人の体調や生活の質が改善するかどうかを見極めることが非常に重要になります。

今回のような手術は比較的レアなものではありますが、その他の手術に関してもメリットとデメリットを比較して動物のQOL(生活の質)が改善できるように努めていこうと思います。

獣医師;永松

投稿者 香椎ペットクリニック

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