動物病院コラム
2020年10月12日 月曜日
CT検査vol.30
今回は猫の歯根膿瘍の症例を紹介します。
もともとの主訴は、ご飯が食べにくそうとのことで来院されました。
最初に診て気付いたのが、下顎がしゃくれてるように思えました。
もちろん、もともとしゃくれている猫もいますが、良く診てみるとやや腫れているような感じがありました。
ただの腫れなのか、腫瘍なのか...
この段階では、歯石もかなり付いていたのと、まだ若い猫だったので歯根膿瘍からの腫れかなと思われました。
もともと、歯科処置も希望されていたので、歯科処置の前に腫瘍の可能性も考慮してCT検査を実施することができました。
青い丸でかかっている部分が、下顎の骨で、赤い線でなぞっている部分が腫れている箇所です。
腫れている部分には、造影剤が全体的に白く染まっており、あきらかな塊状物があるようにはみられませんでした。
さらに付近の下顎の犬歯の部分をみてみます。
一枚目は右下の犬歯で二枚目は左下の犬歯です。
少しわかりづらいですが、次の画像をみてみましょう。
これは一枚目の写真ですが、青い線でなぞっている部分が下顎の骨で、赤い線で囲っている部分が犬歯です。
これを、二枚目の画像と比較してみてみると、一枚目の犬歯の根元が抜けているようにみえ、溶けているのがわかります。
なので、下顎の犬歯が歯根膿瘍になっており、そこからの炎症で顎の先端が腫れている可能性が高まりました。
歯科処置で抜歯をしたところ、2〜3日で腫れは引いてきました。
今回は、炎症性の腫れだったので、処置後に改善が見られましたが、腫瘍の可能性ももちろんあります。
飼われている動物達に少しでも腫れを感じたら、
まずは病院に連れていきましょう。
獣医師 木場
もともとの主訴は、ご飯が食べにくそうとのことで来院されました。
最初に診て気付いたのが、下顎がしゃくれてるように思えました。
もちろん、もともとしゃくれている猫もいますが、良く診てみるとやや腫れているような感じがありました。
ただの腫れなのか、腫瘍なのか...
この段階では、歯石もかなり付いていたのと、まだ若い猫だったので歯根膿瘍からの腫れかなと思われました。
もともと、歯科処置も希望されていたので、歯科処置の前に腫瘍の可能性も考慮してCT検査を実施することができました。
青い丸でかかっている部分が、下顎の骨で、赤い線でなぞっている部分が腫れている箇所です。
腫れている部分には、造影剤が全体的に白く染まっており、あきらかな塊状物があるようにはみられませんでした。
さらに付近の下顎の犬歯の部分をみてみます。
一枚目は右下の犬歯で二枚目は左下の犬歯です。
少しわかりづらいですが、次の画像をみてみましょう。
これは一枚目の写真ですが、青い線でなぞっている部分が下顎の骨で、赤い線で囲っている部分が犬歯です。
これを、二枚目の画像と比較してみてみると、一枚目の犬歯の根元が抜けているようにみえ、溶けているのがわかります。
なので、下顎の犬歯が歯根膿瘍になっており、そこからの炎症で顎の先端が腫れている可能性が高まりました。
歯科処置で抜歯をしたところ、2〜3日で腫れは引いてきました。
今回は、炎症性の腫れだったので、処置後に改善が見られましたが、腫瘍の可能性ももちろんあります。
飼われている動物達に少しでも腫れを感じたら、
まずは病院に連れていきましょう。
獣医師 木場
投稿者 香椎ペットクリニック