動物病院コラム
2021年6月16日 水曜日
犬の甲状腺腫瘍
今回は犬の甲状腺腫瘍の症例を紹介します。
本症例は定期的にトリミングで来院されており、体調は問題なかったのですが体重がどんどん落ちていた為、触診してみると喉のあたりに5㎝大の腫瘤が認められました。
精査のためにCTや細胞診検査などを実施いたしました。
喉の部分にしこりが認められます。
このしこりに針を刺して細胞を採取して顕微鏡で確認しました。
このような細胞が採取され、血液検査にて甲状腺ホルモンが異常高値を示していた為、甲状腺癌と診断いたしました。
(正確には通常の甲状腺より頭側に位置する、異所性の甲状腺癌と診断いたしました)
甲状腺癌の治療は主に外科的な切除と放射線治療となります。
今回の症例では、腫瘍により喉を形成する骨の一部が溶解しており、手術をすることで嚥下機能などに障害が出てしまう可能性もあり実施が困難でした。
また放射線治療についても、費用や本人の負担を考えて実施しないことになりました。
効果があるか微妙でしたが、抗がん剤の飲み薬を処方して経過を見ております。
体重減少傾向は依然認められておりますが、元気にご飯も食べてくれております。
体調に大きな異常がない場合でも、触診によって大きな病気が見つかることもあるということを改めて実感いたしました。
獣医師;永松
本症例は定期的にトリミングで来院されており、体調は問題なかったのですが体重がどんどん落ちていた為、触診してみると喉のあたりに5㎝大の腫瘤が認められました。
精査のためにCTや細胞診検査などを実施いたしました。
喉の部分にしこりが認められます。
このしこりに針を刺して細胞を採取して顕微鏡で確認しました。
このような細胞が採取され、血液検査にて甲状腺ホルモンが異常高値を示していた為、甲状腺癌と診断いたしました。
(正確には通常の甲状腺より頭側に位置する、異所性の甲状腺癌と診断いたしました)
甲状腺癌の治療は主に外科的な切除と放射線治療となります。
今回の症例では、腫瘍により喉を形成する骨の一部が溶解しており、手術をすることで嚥下機能などに障害が出てしまう可能性もあり実施が困難でした。
また放射線治療についても、費用や本人の負担を考えて実施しないことになりました。
効果があるか微妙でしたが、抗がん剤の飲み薬を処方して経過を見ております。
体重減少傾向は依然認められておりますが、元気にご飯も食べてくれております。
体調に大きな異常がない場合でも、触診によって大きな病気が見つかることもあるということを改めて実感いたしました。
獣医師;永松
投稿者 香椎ペットクリニック